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メタバースの哲学

"私たちはメタバースがこの世界を変えると思っている。仮想空間で生きることが、人類が達成するべき素晴らしい夢であるかのように語られている。それはいったいなぜなのだろうか(中略)こうした問いに対して、哲学の観点から一つの回答を示すことが、本書の目的である"2024年発刊、本書は哲学的視点から捉え直すメタバース論。良書。⁣

個人的にはメタバース芸大RESTやcluster読書会と、様々な企画をしている事から本書を手にとりました。⁣

さて、そんな本書はドイツ現代思想研究者、哲学カフェなども実践する著者が、単なるバズワード、一過性のブームでは終わらないメタバースに【私たちは何を求め、叶えようとしているかについて】先進技術ではなくて哲学の視点で、リアリティ、アイデンティティ、ジェンダー、身体、共同体、歴史、統治と様々な視点から、またアーレントやハイデガー、ベンヤミン、バーチャル美少女ねむ『メタバース進化論』などを引き合いにだしながら、物理的制約とは違った可能性を理解するテクノロジーとして、メタバースを受容する豊かさについて。語っているのですが。⁣

個人的にもメタバースについて。そろそろ技術面ばかり以外にも考えるタイミングではないか。と思っていた事から本書の各章で取り上げられているテーマについて非常に興味深く拝見させていただいた。⁣

一方で、考察としては特に先行するバーチャル美少女ねむ『メタバース進化論』を引き合いに出す頻度が多く、もう少し深い内容を期待したかった部分もあるのですが。それでも哲学的視点を提供してくれた本書の意義は大きいと思います。⁣

メタバースについて。哲学的視点から、現実世界への受容について考えたい方にオススメ。

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