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君たちのための自由論

"サコ先生も僕も『管理する側』から見たら、とても手に負えない人たちだと思います。それは僕たちがただ反応的であるとか、反権力的であるかということでらなく『創造』ということに強いこだわりを持っているからです"2023年発刊の本書はこれからの時代を担う人におくる教育、サバイバル論。

個人的には著者の2人、内田樹とウスビ・サコの歯切れがいい言葉に共感する部分が多いので本書を手にとりました。

さて、そんな本書は全5章のうち【1章から4章までは】ウスビ・サコが京都精華大学で担当していた講義『自由論』そのゲスト講師を毎年務めていた内田樹他との講義をもとに編集したもので。常に格付や排除のリスクに過緊張気味な日本人や若者に対して『だらだらしよう』将来なんて『なんとなく』で決めようと呼びかけたり、大学教育は『ゲリラ的に』やるしかない、自由にはある種の『毒』がある。と論じた後。締めくくりの5章では、ウスビ・サコの学長退任後に行われた内田樹との対談をもとに、リーダー論や組織論から始まり、ロシアによるウクライナ進行を意識しながら【日本社会が抱える問題】について語り合っているのですが。

まず、前半の4章までに関してはコロナ禍による大学の『教育現場で起きていたこと』また『自由の反対は平等』といった話が新鮮で興味深かった。

また、第5章での公共意識が劣化し『公共物に公共性がない』現在。ウスビ・サコのいう『再コモン化』内田樹のいう『公共の再構築』話には、わずかな私財を投げ打って(笑)『フリーペーパー専門店』と名乗る『文化発信拠点』をしている1人としても共感しかなかった。

ウスビ・サコ、内田樹ファンはもちろん。大学教育やこれからの日本について考えたい方にオススメ。

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