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神田ごくら町職人ばなし

"木ってのは生きてるんだ こんな風に細切れになってもね 要は使い方だよ 大事につかえば百年だってつかえる"2023年発刊、本書は『死に神』で第71回ちばてつや賞入選の作者による江戸時代の職人、手仕事を圧倒的なディテール、息づかい伝わるドラマとともに描いた歴史傑作。シリーズ第一弾。

個人的には、時代と共に失われた、あるいは普段はそこまで意識しない"手仕事"に関心があったので本書を手にとりました。

さて、そんな本書は"粋で一途な職人の町"を舞台に『木を見つめ木と生きる』一途な桶職人『自分が打った刀で子どもが斬り殺された』刀鍛冶『友禅染の大流行の中、藍染意匠に悩む』紺屋『吉原の遊女たちに冷やかされながら張り替えに励む』畳刺し。そして『三話構成で描かれる町の象徴、土蔵づくりを巡る江戸と上方職人の交流』左官。と、5つの手仕事のそれぞれの日常が緻密な描写で描かれているのですが。

やはり、そして繰り返しになりますが【絵のタッチが素晴らしく】時代を越えて作品世界の江戸時代に没入することが出来ます。

また、個人的には普段はWEB通販サイトなどで機能と価格のバランスを最優先してこだわり無く既製品を買うタイプなのですが。本書で描かれるような職人たちの存在を知ると【手仕事、オーダメイド作品への関心】が、ぐっと高まります。

手仕事好きな方や関わっている方はもちろん、デジタル一辺倒な仕事に疲れた方にもオススメ。

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