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誰が勇者を殺したか 預言の章

"レナードはわたしを信じてくれた。そして勇者の在り方を示してくれた。わたしはやり直せる。何度でも。きっとこの結末もいつか変えることができるはずだ。"2024年発刊の本書は魔王討伐後に帰還しなかった勇者の死をめぐる前作の補強となるまさかの第2巻。預言者と新たな冒険者達の旅。

個人的には新刊ライトノベルの販売数歴代第1位と大ヒットした前作が読みやすく面白かったので手にとりました。

さて、そんな本書は前作と違う、高額報酬を求める冒険者レナードと、それぞれに挫折と後悔を抱えた槍使いのエフセイ、魔法使いのソフィア、僧侶のニーナの4人のパーティーの旅の様子と【悪評とは違う真相】そして彼らの噂を聞いて興味を抱く、魔王を倒す勇者探しの繰り返し『世界編纂』に疲れた預言者との交流の様子と正体が、前作と同じく徐々に明らかになっていくのですが。

前作のまっすぐな主人公『勇者』とは違う『捻くれ者』の主人公。そして選ばれた少年少女たちではなく、中年?ベテランパーティーの物語になっているのは、作品の世界観を広げる上で良い工夫、アイデアだなと思いました。

また、イラストのtoi8氏が『まおゆう魔王勇者』シリーズの方なのも(別作者ですが)そっちのシリーズ好きだった私には好印象。加えて、前作と同じく本作でも勇者は最初から特別な存在ではなく【自分の努力と意思でなるもの】として、引き続き描いているのも良かった。(一方で『聖女』のマリア様はどこまで特別なんだw)

さくっと読める良質ファンタジーとして、また『葬送のフリーレン』シリーズが好きな方にもオススメ。

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