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思考の方法学

"本書は、モデル分析の本質の理解に重点をおきました。加えて人間を取り巻く組織や社会に関するモデル分析を行う上で、是非とも押さえておくべき手法や概念の紹介につとめました"2023年発表の本書は論理的な意思決定、文系と理系の垣根を飛び越える大切さを教えてくれる一冊。

個人的には『思考の方法学』というタイトルに惹かれて本書を手にとりました。

さて、そんな本書は都市工学、都市解析、オペレーションズ・リサーチの研究者である著者が『ある目的をもって物事に対処し、納得したり解決策を考える』【思考】それを支える技術としての『考える対象となる事物を吟味して大切な要素のみを選び出し、選び出された要素(部品)同士の関係性を記述することで、現実の真似事(模型)をこしらえる』【モデル】分析"捨てる技術"について。数式を一切用いず、台風予測や人工分布等の具体的な事例をあげて、わかりやすく解説してくれているのですが。

個人的にも、様々な会議に参加するなかで、意見の前に【前提となる議題(課題)設定】に違和感を覚える時もあるのですが。そういった会議は(本書から引用すると)『要素を可能な限り捨て去り、少ない部品に絞る』ことが出来ていないことがよく理解できました。

一方で、著者の専門分野、性格もあるのでしょうか。また先に宇沢弘文のフリードマン批判を目にしていた影響もあるのだと思いますが。民間伝承的なものを『オカルト』と切り捨て【合理的に最大の効果を目指す】内容に、やや"感覚的な"危うさを覚えたり。

会議資料を作成したり、会議に参加することが多いビジネスパーソンに。また『モデル分析』に興味ある方にテキスト的にオススメ。

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