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ラテンアメリカ文学入門 ボルヘス、ガルシア・マルケスから新世代の旗手まで

"本書ではラテンアメリカ文学がもっとも豊かな成果をもたらしたブームの時代、具体的には一九五八年から八一年にいたる二十数年間を中心に、その前後数十年まで展望を広げて(中略)ラテンアメリカ小説の本質に迫っていきたい"2016年発刊の本書はブームの背景理解、ブックガイドにもなる良書。

個人的には2024年、ガルシア・マルケスの『百年の孤独』が文庫化されたのをキッカケにラテンアメリカ文学の事をもっとつかみたい。と手にとりました。

さて、そんな本書は現代ラテンアメリカ文学の研究者、翻訳者でもある著者が、ブームの前。20世紀初頭からラテンアメリカ各地で起こった内線や社会的動乱を背景にしたリアリズム、地方主義小説の紹介から始めて、次第に世界に認められていった『魔術的リアリズム』『アルゼンチン幻想文学』『メキシコのアイデンティティ探究文学』のラテンアメリカ文学、3つの潮流について、フエンテス、バルガス・ジョサ、コルダサル、ガルシア・マルケス、ドノソといった『ブームの五人衆』はもちろん、豊富な作家たちの作品、出版にまつわる裏話。世相、販売戦略などを交えながら紹介してくれているわけですが。

まず、ラテンアメリカ文学については『百年の孤独』以外にも『石蹴り遊び』『精霊たちの家』など、代表的な作品を何冊か読んできましたが。本書には本当に沢山の作品が紹介されているので、自分はまだまだ読めてないな。。と実感させられました。

また、今でこそ当たり前に名作扱いされる各作品が、出版当時に【どういった思惑があって】発表され、受け止められたかについて。全然知らなかったので、こちらも非常に勉強になりました。

ラテンアメリカ文学好きはもちろん、文学史を学ぶかたにも補助線としてオススメ。

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