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天幕のジャードゥーガル 1

"当たり前のこと そうね きっとそう あなたたちにとってはね だけど私たちにとっては 始まりの本よ この草原にはない西域の知識を取り入れるためのね"2022年発刊の本書は元奴隷の少女の視点から描くモンゴル帝国。このマンガがすごい2023年オンナ編1位。

個人的には本書が『このマンガがすごい』を受賞したと知って手にとりました。

さて、そんな本書はイラン東部トゥースという都市の奴隷市場で主人公のシタラが学者家系の家に買われるところから始まり、知を求めることの大事さを説かれつつ生活するも、モンゴル軍の襲撃で都市は崩壊。今度はチンギス・カンの四男、トルイの后付きの奴隷になるわけですが。

まず、作者の本は初めて手にとりましたが。手塚治虫(いや、おそまつ君?)を思い出すような懐かしい【絵のタッチがとても新鮮で】モンゴル軍の襲撃など実際には残虐であったであろうシーンも『この絵柄なら』と、良い意味で安心して読み進める事が出来ました。

また、別作者の第二次大戦時のソ連軍を舞台に従軍した女性たちを描いた『戦争は女の顔をしていない』ではありませんが。誰もが学ぶモンゴル帝国を主人公含めた【女性たちの視点で描く】本書の試みは意欲的で、分断が進んでしまっている現在。他者や多文化理解にとても役に立つのでは。とも思いました。

モンゴル帝国、歴史好きな方はもちろん。本を読むこと、学ぶことの大切さを再確認したい方にもオススメ。

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