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チ。-地球の運動について- 第1集

"そうだ。そうじゃなきゃ。あんな巨大な天が、一つの発想で、こんなに合理的に、動いてしまったら、この説を、美しいと、思ってしまうッ!!"2020年発刊の本書は命がけで真理を求める人間たちを描いたシリーズ第一弾。

個人的にはアニメ化も決定して、話題になっていることから手にとりました。

さて。そんな本書は架空のヨーロッパを舞台に『C教』という宗教の教義に反く考え方を研究するだけでも拷問を受けたり、火あぶりに処せられたりする時代。"合理的に生きる"を信条にする聡明な少年、ラファウはある日、教会で禁止されている考え方『地動説』を研究していたフベルトに出会ってしまったことで、彼の提唱する地動説の美しさに魅入られ、命を賭けて自ら地動説の研究を始めるのですが。

まあ。冒頭から拷問シーンと割とショッキングな始まり方をするのに驚きましたが。コペルニクス『天球の回転について』を既読であったこともあり、史実との違い、フィクションの部分との比較も含めて楽しめました。

また本書は『地動説』をテーマにしていますが、真理を求める人たちの知識のバトンが【世代を超え、つながっていくような展開】は、どこか『フェルマーの最終定理』を思いださせる胸熱さで。自分自身は研究者ではありませんが、純粋にかっこいいな。と思いました。

天文好きはもちろん、自分を貫く勇気をもらいたい方にもオススメ。

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