三丁目が戦争です
"戦争がはじまってしまえば、もう、どうしようもないのです。みんながよろこぶようなおわりかたには、ぜったいになりません。"1971年発刊、2024年復刊の本書は筒井康隆 + 永井豪の二大巨匠タッグでおくる主人公の『勇気ある行動』をきっかけにドロ沼の戦争が始まる絵本傑作。
個人的にはどちらもリスペクトする二人のコラボ作!と未読だったので手にとりました。
さて、そんな本書は三丁目の団地に住むシンスケくんが、住宅地にいる乱暴な月ちゃんに『女の子になんかまけるものか』と立ち向かうのですが、皮肉にもそのことがキッカケになって、大人たちを巻き込んだ団地と住宅地の嫌がらせ合戦、ついには武器を片手にもった戦争状態"殺しあい"に突入していくのですが。。
まあ、まずインパクト強いのは最初から最後まで女の子というより【人間離れしたオニ】にしか見えない月ちゃんの造形でしょうか。確かにこんな女の子が暴れていたら、シンスケ君でなくても怖いだろうなあと説得力ありました。
また、世界各地で争いが絶えない2024年現在にこの本を読むと、本当に戦争は一度始まってしまったら、どちらにも残酷な終わりしかないのになあ。と、あらためてため息。
巨匠たちのファンはもちろん、戦争反対!な全ての人にオススメ。
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