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サイバーパンク桃太郎

"生活のため お爺さんは毎日 政府や企業のサーバーを芝刈り(クラック)に お婆さんは ストリップクラブを経営して 資金洗浄(せんたく)で稼いでました"2023年発刊の本書は画像生成AIの可能性を探った実験的良作。おとぎ話のサイバーパンク解釈もユニークな一冊。

個人的には自身も画像生成AIの可能性に注目していたので、本書の存在を知って楽しみに手にとりました。

さて、そんな本書は某ブレードランナー的世界観の都市、ネオ・オカヤマのスラム街を舞台にして、腰に秘蔵データ"KBY"を託された謎の桃色の髪の少年『ピーチ・ジョン』が【お供をつれて巨大な悪に立ち向かう】誰もが知るおとぎ話『桃太郎』が新解釈で展開していくのですが。

巻末で著者自身が画像生成AI、Midjourneyの制作過程を書いている通り【簡単そうに見えて難しい】2023年現在から半年前。2022年8〜9月頃"Ver.3"の特徴。『同じキャラを描くが苦手』『手の描画やカメラアングルを動かすのが苦手』『キャラの表情が硬く、バストアップの似たような構図ばかり』といった【AIの制約をどうクリアしたか】がよくわかって興味深かった。

また、そういった事情もあり、普段読み慣れたマンガ達と比べると確かに【作画に感じては違和感は感じてしまいますが】個人的にサイバーパンク的世界観は大好物なので【物語自体はうまくまとまっていて】単純に面白かったです。

画像生成AIの進歩に興味ある方はもちろん、サイバーパンク好きな方にもオススメ。

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