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レッツラゴン

"もう一度しつこく何度でもいうが、赤塚不二夫の名まえは、赤塚不二夫だぞ!!山田一郎じゃないぞ!!"1971年から1974年にかけて連載された本作は『おそ松くん』のユーモアからシュールへ。著者が最後に描いたナンセンス漫画、一番好きだと語った漫画作品。

個人的には漫画好きな知り合いにすすめられて手にとりました。

さて、そんな本書はほとんど学校に行かずに父親と二人暮らしをしている主人公のゴンと父親の連載当初は【バイオレンス風味のホームコメディ】だったのですが。次第に山で出会ったクマのベラマッチャが存在感を増したり、編集者相手の内輪ネタや楽屋オチ、時事ネタが頻発したり、良く言えばライブ感覚、別の言い方をすれば行き当たりばったりなシュールな作品集で。しかし著者曰く【僕の目指していた世界】と語っていたらしいのですが。

まず最初に感じたのは【コマ割りの几帳面さ】でしょうか。最近の漫画に比べて手狭というか、きっちりセリフがおさめられていて。漫画黎明期の表現として新鮮でした。

またタイトルの「レッツラゴー 」はアメリカ滞在中に著者が使っていた【デタラメ英語からとられている】そうで、当時流行語にもなったそうですが。川端康成や水島新司、郷ひろみに美空ひばりと【今なら炎上しそうな毒ある時事ネタ】がちりばめられていて刺激的でした。

著者ファンの方はもちろん、漫画黎明期のシュール傑作としてオススメ。

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