NO推理、NO探偵? 謎、解いてます!
"『思ったんだけどさ』『うん』『アイちゃんがこれから、もっと有名で立派な名探偵になるためにさ』『ためにさ?』『推理って、別にいらなくない?』"2017年発刊の本書は推理が出来なくなった名探偵のアイと助手のユウのコンビでおくるメタミステリ。連作短編集。
個人的にミステリが読みたくなったので、SNSのタイムラインで紹介されていた本書を手にとりました。
さて、本書は名作、謎作てんこもりのメフィスト賞受賞作第53回受賞作で。プロローグで華麗な推理を四時間かけて披露する名探偵アイの活躍が描かれたかと思えば、捕まえた犯人の催眠術であっさりアイは推理力を封印され。。しかし、これもチャンス!と助手にしては横暴かつメタ発言の多いユウのすすめで『推理力なし』で、日常系、アクションミステリ、旅情ミステリ、エロミス、そして安楽椅子探偵っぽいやつ。と様々なジャンルの謎を二人で解決していくのですが。
まあ、著者の作品は初めて読みましたが。二人の会話でぐいぐい進んでいく本書。いわゆる本格ミステリの合間に読む感じの癒やし加減で、良い意味でメフィスト賞らしくて良かった。
また、本書をコンビのツッコミや他作品オマージュを読んでいると、確かにミステリって型にハマりすぎているのかも。と気づかされる部分もあって新鮮でした。
ユーモアやメタ小説好き。読みやすい本を探す方にオススメ。
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