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不便益のススメ

"本書では『なんでも便利なほうがいいに決まってる』と言う時の『決まってる』を疑うと楽しいということをお知らせしました。"2019年発刊の本書はコスパ至上主義に警鐘を鳴らし、モノゴトの見方に多様性をもたらしてくれる良書。

個人的にも跳梁跋扈する【数字や拝金といったわかりやすさ主義者】へのカウンターも意図し『フリーペーパー専門店』という奇妙なお店を運営していることから本書を手にとりました。

さて、そんな本書は"道具や装置の仕掛け"デザインが専門、特に"不便さがもたらす益"【不便益】研究者である著者が、スマホにAIブームと世の中が『便利』になっていき、効率化や自動化といったパフォーマンスが求められる中【世の中には無駄なムダと無駄でないムダがあるのでは】と、今まで常識とされた『不便=悪いコト』とは異なる眺め方【手間をかけるからこその益】を様々な具体例をあげて示してくれているわけですが。

前述したとおりの無駄なムタにも見えるお店を【無駄ではないムダなお店】と信じ続けて運営している立場としては、本書に書かれていることには共感しかなかった。

また、お店を差し置いても。社会人として、一方ではスマホやアプリで効率化を追求した平日を過ごしているからこそ、休日はなるべく【スマホを持たず、スケジュールも決めず】に行き当たりばったりで生活してるので。本書でいう『関係性と多様性の回復』にも頷くものがありました。

均質化、予定調和に息苦しさを覚えている方。コスパやダイパに違和感を覚えている方にオススメ。

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