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アイヌ文化で読み解く『ゴールデンカムイ』

"本書は(中略)『ゴールデンカムイ』の監修者を務めている私が、その立場から漫画の絵やコマをふんだんに用いつつ、アイヌ文化のエッセンスを解説した入門書です"2019年発刊の本書は漫画唯一の公式解説本にしてアイヌ文化への入り口となる良書。

個人的にはアニメのシーズン4も始まったこともあり復習的な気持ちで手にとりました。

さて、そんな本書はアイヌ語・アイヌ文化の研究者として『ゴールデンカムイ』連載当時からアイヌ語監修を務める著者が【ファンがより知識を深め、さらに漫画を楽しむことができること】を目指して、アイヌのルーツや言葉の力、信仰や伝説、食生活などを漫画の絵やコマをふんだんに使って紹介してくれているわけですが。

まず、漫画やアニメでも豆知識的に紹介されるアイヌ文化。その背景を【深掘り的に解説を加えてくれている事】はやはり興味深く、現在使われている地名がアイヌ由来からきてることや、業火イメージではなく『じめじめとした場所』である地獄とか。大変興味深く読ませていただきました。

また一方で【フィクション(作者)とリアリティ(監修)のバランスのとり方】特に『監修』の立場としての工夫や苦労話は【漫画だけではわからない部分】なので、本書を入り口に、より詳細なアイヌ文化をより詳しく知ろうとしている私にとっては、むしろ参考になる立ち位置で良かったです。

原作ファンはもちろん、アイヌ文化の入門書としてオススメ。

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