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#Z世代的価値観

"この本では、年齢や出身地、性別や文化圏の違いに関係なく、21世紀以降の変化に積極的に参加することを可能にする価値観を包括的に捉えて『Z世代的価値観』と呼ぶ。"2023年発刊の本書はマーケティング用語ではない、当事者によるアメリカのZ世代論。世界規模で読み解いている良書。

個人的には"はじめに"で書かれている日本のメディアや記事で使われるZ世代という『言葉』は『マーケティング用語』扱いであり、単に若者という言葉の『代理ワード』として使われてしまっている。という指摘に興味を惹かれて本書を手にとりました。

さて、そんな本書は(日本に住んでいるおじさんではなく)1997年生、カリフォルニア在住、理系研究職に就きながらライター、日本と海外のアーティストを繋げるエージェンシーとしても活躍する著者が『アメリカのZ世代』さらには『Z世代的価値観』の話として、『ホットガール』セラピー、映画エブエブ旋風の奇跡、SNSで広がる読書、さよなら『インフルエンサー』消費等々【当事者視線で】アメリカのZ世代の考え方や流行について。エッセイとして紹介してくれているわけですが。

第二言語とは思えない流暢な文体にも驚かされますが。日本ではなかなか伝わってこない、コロナ禍も含めた【アメリカのZ世代間での流行や捉え方】が日本社会との比較で語られていて。とても興味深かった。

中でもエブエブこと、映画『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』が【Z世代、マイノリティからなぜ大絶賛されたか?】について。同じ映画を日本で鑑賞した1人として。受け止め方の違いが知れて。こちらも面白かった。

アメリカ、世界的な視点でZ世代、今の20代を理解したい方の補助線として。また、読みやすい文化比較エッセイとしてもオススメ。

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