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日本文化の核心 『ジャパン・スタイル』を読み解く

"わかりやすく説明してほしいとよく頼まれます。しかし、この要望に応える気はありません。断言しますが、日本文化はハイコンテキストで、一見、わかりにくいと見える文脈や表現にこそ真骨頂があるのです"2020年発刊の本書は編集工学を提唱した著者による博識さに裏づけられた日本文化論。

拙くとも私自身が本の感想を毎日WEBにアップする中で、著者の『千夜千冊』に勝手に親近感を覚えていたのですが。そんな2024年に亡くなった事を知り本書を手にとりました。

さて、そんな本書は【人間の思考や社会のコミュニケーション・システムや創造性にかかわる総合的な方法論】として『編集工学』を提唱、また、それを学ぶための場『イシス編集学校』でも知られる著者が、わかりやさに警鐘を鳴らし、むしろ日本文化の『ハイコンテキストさ』『変化するもの』を理解するにはディープに向き合わないといけない。と、第十五講にかけて、神話や言葉、宗教やマージナル、バサラや空間、ニュースに経済済民などなど、様々な視点や言葉の変化に注目して、微妙で複雑な日本文化を語り尽くしているのですが。

私事で恐縮ですが、メタバース芸大RESTという学校コミュニティを運営。日本の歴史を美術や言葉といった面から解説している立場でもあるので、本書の内容は確認と新たな学びといった面で、とても面白かった。

一方で、読了し。このように縦横無尽に分野を横断し、また難解さではなく明瞭に文化論を語ってくれる方がついに亡くなってしまったことに寂しさをやはり感じました。

著者ファンの方はもちろん、広く深く横断しながら語られた日本文化論としてもオススメ。

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