見出し画像

『アート』を知ると『世界』が読める

"アートは宗教、民族性、歴史とは分かち難く結びついており、言葉というある種『限界があるコミュニケーションツール』にはない"表現力"を内包しています。2024年発刊の本書は特にビジネスパーソンに向けて『世界のエリートたちの共通認識』としてのアート、その魅力を解説した一冊。

個人的にはメタバース上で芸大の設立準備を進めていることから、テキスト候補として本書を手にとりました。

さて、そんな本書は外務省入省。エジプト、イギリス、サウジアラビアへと赴任した元外交官であり、現在は芸術大学で教鞭をとる著者が、アート鑑賞は欧米エリートにとって不可欠な教養どある一方【日本ではそのようなことはない】という扱いの差がイノベーション格差として表れているのではないか。と『理解すると視野が広がる、アートの基本』『西洋アートから民族を読み解く』『現代アートの底力』の三部構成、約20の名画を題材にしながら。また自身の豊富な海外経験や仮説を交えつつ、アートを目の前にして【いかに問いを立て、深い洞察を得るか】について、わかりやすく解説を加えてくれているのですが。

個人的にかじってきた西洋美術史については、よく知る作品を題材にさらに理解やネタが深まる内容で、とても勉強になりました。

また、中東やアフリカやカナダ、ラテンアメリカ、南アジア、東南アジア、中国事情に関しては全く疎かったので。著者が体験を通じて、補助線を引いてくれているのは助かりました。

読み物、対話のきっかけとして西洋美術史、現代アート事情を知りたい方にオススメ。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?