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失われた図書館

"力強い口調でこう答えた。『三度繰り返して初めて、言わんとすることが相手に通じる。一度は思いつきかもしれない。二度は偶然ということもありえるだろう。しかし三度なら、それは本気で言っている』2017年発刊の本書は消えた古代アレクサンドリア図書館を巡り世界を股にかける冒険エンタメ。

個人的には『幻の図書館を探す』というテーマにひかれて本書を手にとってみました。

さて、そんな本書は射殺された史学科の大学教授、アルノ・ホルムストランドが新米女性教授、エミリー・ウェスに謎めいた手紙を残したことで、人類史上最大の規模を誇ったと伝えられる伝説の図書館、古代アレクサンドリア図書館の存在を巡って、謎の組織《ソサエティ》と《カウンシル》の争い、またアメリカ大統領の失脚を企てる陰謀に巻き込まれていくのですが。

まず、謎の多い著者が『古代史の大御所』らしい。というのも頷ける登場人物たちが饒舌に繰り広げる古代アレクサンドリア図書館の謎にまつわる歴史雑学が【単純に勉強になる】部分があって、2002年にオープンした新アレクサンドリア図書館も含めて、本好き、旅行好きとしては強く旅に誘われました。

一方で、まるで古きハリウッド冒険映画の様な勧善懲悪然としたキャラクター設定、世界を半周するストーリー展開は【懐かしくて嫌いじゃない】のだけど、手に汗握る!とまでの緊張感はなく、賛否のわかれる所かな?とも思いました。

図書館、歴史をテーマにしたエンタメ小説好きな方にオススメ。

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