見出し画像

音盤紀行

"夜になったら店に来て 好きな音楽を聴くためには隠れ続けなければならない あなたにその覚悟があるのならー"2022年発刊の本書はレコードに込められた記憶と想いを時代と国境を越えて辿っていく。レコード愛溢れる短篇集。

個人的には著者の同人誌時代の作品『音街レコード』も面白かったので本書も手にとりました。

さて、そんな本書は『祖父の遺したレコードの秘密を探ったり』『冷戦時代を彷彿とさせる禁制のポップ音楽を扱う地下レコード店』『東南アジアらしき街での予想外のセッション』『法の及ばない公海上から陸に向けて電波を飛ばす海賊ラジオ』『ダイナーでのジュークボックス話』と、音楽好きならたまらないであろうエピソードが収録されているわけですが。

個人的には特に海賊ラジオを巡るエピソードが、最近見た映画で(船じゃないですが) イタリア、アドリア海上にあった(爆破された)『ローズ島共和国』を時代的に彷彿させて特に面白かったです。

また、大阪でフリーペーパーを扱うお店をしている立場としては著者の"日頃から店の雰囲気や間取りを観察しています"が充分に活かされた、各章毎の【お店間取り図が興味深く】うちでもレコードを取り扱いたいな。そんなミーハー気分にさせてくれたり。

音楽、レコード好きな全ての人にオススメ。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?