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わかりやすさの罪

"自分はこの本を通じて、『どうすれば【わかりやすさ】から逃れることができるのか』ということをずっと考えてみた。罠というか、罪だと思っている"2020年発刊、本書は受け手の理解や感覚が損なわれつつある今に警鐘を鳴らす、残尿感溢れる一冊。

個人的にはSNSでグダグダ話を書いているとコメント欄ですすめられたので手にとりました。

さて、そんな本書は初の著作『紋切型社会』でドゥマゴ文学賞を受賞、フリーライターやラジオ番組のパーソナリティとして活躍する著者が2018年から約2年間『一冊の本』で連載していたものをまとめ、加筆・修正したもので。納得と共感が与えられ、極端な「わかりやすさ」が追求される果てに【日本人の思考、日本社会に今、何が起きているのか】について。あるいは、複雑な状態に【耐えて、考え続ける】大切さをスッキリさせないように伝えてくれているわけですが。

勝手に『要約される』ことへの不快感についても触れているので、なんとも書きにくいですが。しかし、概ね【感じている危機感】については同じ感覚があって共感する部分がありました。

ただ。すすめてくれた方には申し訳ないが?自分は自身の考えを披露する際になるべく【他者を引き合いに出したりはしないようにしている】ので。池上彰しかり、様々な引用は商業連載だから仕方なかったかもしれませんが、軽薄な印象も感じました。

『わかりやすさ』が求められる流れに不快感を感じたり、抗っている誰かに。またお笑い好きや、気軽に読めるエッセイとしてオススメ。

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