見出し画像

復刻版 日本軍教本シリーズ「輸送船遭難時ニ於ケル軍隊行動ノ参考 部外秘」

"本書は太平洋戦争中の昭和十九年に陸軍の教育総監部が発行し兵士に配布した冊子で、乗船が遭難した際には、このように行動するべし、ということを解説したマニュアルである"復刻版である本書は戦争末期、遭難時にただ生きのびる事に主眼をおいて書かれた指南書。響く良書

個人的に地震や台風と防災意識が求められる中、ふと目に入って興味をもちました。

さて、そんな本書は日本軍の敗退が濃厚になり、南方に向かう輸送船の殆どが途中で撃沈される状況下、乗り込む陸軍兵士たちに配布された『横9センチ、縦12.5センチ、全62ページ』の小冊子を2024年に復刻したもので、復刻版では全三章にかけて『船舶輸送』『船舶部隊の戦訓』『機材取扱法』にまとめて、精神論を省いた簡潔なテキスト、挿し絵つきで遭難時の対処。退船手順や救命胴衣の扱い方、筏を(小銃とか組み合わせて!)作って救助を待つ方法、水温の低い海での注意点などが坦々と解説されているわけですが。

やはり、当時の兵士たちの心情に寄り添って読んでいくと。(おそらくは)狭い輸送船の中で、お守りみたいな気持ちで何度も読み返していたのかなと想像したり

また、つきはぎ感というか洗練された印象はない感じの本書ですが。どのくらい有効だったのかは気になります

旧日本陸軍に興味のある誰か、戦時下のサバイバルマニュアルとしてオススメ

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?