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我的日本

"ずっと以前から旅行に出ようと思うたびに、なぜか真っ先に京都を思い浮かべる。京都につくと、いつも十数ヶ所、二十数ヶ所の場所を繰り返し巡り歩き、門外から中を伺い、堀の外に佇む"2018年発刊の本書は台湾人作家18名の日本に向けた眼差しが新鮮であたたかい良書。

個人的に台北に旅行に行った事もあり、台湾の人から見た日本はどう映っているのだろう。と本書を手にとりました。

さて、そんな本書は1950年代から80年代生まれの台湾作家たちが書き続けてきた『日本』をテーマにしたエッセイ18編を収録、世代ごとに異なる日本像への葛藤や日本文学との内面的対話、地理的には東北、東京から関西、九州までを舞台に"旅人"としての紀行文でありながら、日本史、日台関係史、宗教、言語、文化交流まで様々なテーマにしたテキストが展開しているわけですが。

シンプルにはいかない複雑さはあっても、作家たちの描く『日本』は総じてユーモアや親しみに満ちていて、素直に嬉しくなります。

また関西に縁ある私としては、高野山や京都と大阪(阪堺電車)の様子を好意的に丁寧に描写してくれているのも素直に心地よく、インバウンドで加熱気味な報道もある中、あらためて『観光』として訪日してくれている事に感謝を覚えます。

台湾に興味がある、親しみを覚える方にオススメ。

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