リトル・フォレスト 1
"春を告げる大切な山の恵みとして きっと太古の人々はつくしを大切にしてたと思うなあ(中略)けなげに天をめざす 大地の小さな精霊 みたいな?"2004年発刊の本書は映画化もされた著者自身の東北での実体験をもとに自給自足の生活を通じて自分と向き合う若い女性の姿を繊細に描いた良作。
個人的には"食"をテーマに開催した読書会で参加者にすすめられて手にとりました。
さて、そんな本書は著者自身が岩手県で生活していた際の実体験をもとに、都会暮らしに馴染めず自然に囲まれた小さな集落で暮らす女性、いち子の田畑を耕し自給自足に近い生活をしている様子が、採れたて食材による素朴ながらも美味しそうな料理と共に(写真もいれつつ)描かれているのですが。
グミ、"ウスターソース"、ひっつみ。完成した料理そのものというより、食材がどうやって成長し、採取されているかが、自然の厳しさと共に高い画力で丁寧に書き込まれていて印象に残りました。
また、同じく都市部で就職するも帰ってきたユウ太が理由を聞かれて語る"なにもした事がないくせに、なんでも知ってるつもりで 他人が作ったものを右から左に移してるだけの人間ほどいばってる 【薄っぺらな人間のカラッポな言葉をきかされる】のにウンザリした"に、都市部で"右から左"の書類仕事している立場としてはドキリと。
東北に縁ある方や、田舎暮らし。自給自足生活に興味ある方にオススメ。
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