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ホホホ座の反省文

"地域にとっては、誰か〈仕掛け人〉がいなくなったら、そこでおわってしまうような状況では、まったく意味がないのです。結局、あらゆる物事は、自然発生的に始まることが、一番長続きし、強い。とぼくは考えています"2019年発刊の本書は屋号を全国シェアする文化ネットワークの現在地。

個人的に屋号シェアをヒントに自分の運営するフリーペーパー専門店でも『間借り店』という仕組みをつくったり、また何よりホホホ座浄土寺店の近くに新たなスペース『図書室27』をスタートさせた事から本書を手に取りました。

さて、そんな本書は2015年に『ガケ書房』としての営業を終えて、現在は浄土寺に移転。名前を変えて運営している四人の座員による編集企画グループ、屋号を全国10店でシェアしている『ホホホ座』について。『自分のことは棚にあげない』【反省文を書くような気持ちで】移転までの振り返りや仲間たち、"親戚"としての全国のホホホ座の成立過程、そして対談と素直な言葉が綴られているのですが。

年代も近く、またフリーペーパー専門店というニッチなお店を流行に関係なく、開けては閉めてといった地道なルーチンを繰り返している身としては地に足がついたような言葉に親近感しかなかった。

また、本書ラストの(社会的な成功とされる)『地位、名誉、お金』を手にした人たちは何故か生活の中の顔が冴えません。【本当にリア充なのは『仲間、家族、健康』に充足感を得る事かもしれません】的な言葉にも『足るを知る』ではないが、深く共感した。

ホホホ座ファンの方はもちろん、ゆるく生きる大切さを考えたい方にもオススメ。

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