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2040年の日本

"数ヶ月後や数年後であれば、社会の状況がいまとあまり変わらないと考えても、大きな間違いはない。しかし、10年後、20年後となれば、そうはいかない"2023年発刊の本書は独学主義者でも知られる著者による未来予想。

個人的には元大蔵官僚、日本経済論・ファイナンス理論の研究者である著者は日本の2040年をどう予見しているのだろうか。と、興味をもって手にとりました。

さて、そんな本書は10年後、20年後の経済に関する長期予想は"ランダム変動は平均化され、かなり確実に予測できる"と考えた著者が、各章ごとに『将来の日本の経済成長率』『未来における日本の地位』『社会保障の問題』『医療・介護技術の進歩』『メタバースと無人企業』『自動車関連の技術進歩』『エネルギー問題』『核融合発電と量子コンピュータ』『未来に向けた人材育成』と幅広く言及しているわけですが。

まず、1%の継続成長も高齢化、労働力不足で難しく、また中国、インド、アメリカといった国々が経済大国になる中、GDP比較では言葉通り『取るに足らない』存在になる日本の現実の厳しさを、あらためて認識させられました。

また、個人的に私はメタバースでの教育機会の平等化に可能を見出して『メタバース芸大REST』を設立したのですが。そんなメタバースに対する"メタバース=VR"ではない。と、ディストピア的な現状認識をしつつも『テレプレザンス、デジタルツイン、ブロックチェーン技術』に注目しているのは流石だなと。

『2040年問題』や日本の長期未来や変化を冷静に受け止めたい方に。また近視眼的な論調にモヤモヤしている方にもオススメ。

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