見出し画像

言葉の獣 1

"言葉ってなんだと思う?(中略)わたしはそういう『疑問』を感じたことがないんだ 私にはずっと言葉の形が見えてたからね"2022年発刊の本書は言葉を”獣”として見ることができる東雲、詩に関心をもつクラスメイトの薬研。2人で言葉を巡る不思議旅。

個人的にメタバース芸大RESTで『ことば』をテーマにした授業を行なっている事から本書に興味を持って手にとりました。

さて、そんな本書は「ばかな鬼」「千の夏と夢」など、SNSで大きな話題となった著者初の長編連載作品で、言葉を"獣"の姿で見ることができる共感覚の持ち主・東雲(しののめ)と、詩に強い関心を持つクラスメイト薬研(やっけん)。2人が『この世で一番美しい言葉の獣』を求め、獣たちが集まる『言葉の生息地』を探索していくのですが。

著者の作品は初めて読みますが、薬研が授業での詩の扱いに不満を漏らす冒頭から東雲と出会って虎になるまでの流れが不思議なんだけど、自然に受け止められるのが面白かった。

また本書では『頑張れ』『誹謗中傷』『詩の言葉』『生きる』『天然の詩』と、様々な言葉の獣たちと出会っていきますが、詩や短歌の創作、朗読もしてきましたが、こうしたイメージでは考えたこともなかったので新鮮でした。

『言葉』に特にSNSで親しんでいたり、モヤモヤしている人にオススメ。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?