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赤と黒

"ジュリヤンは司祭の前では敬虔な感情しか見せなかった。色白で、いかにも優しそうな、娘のような顔の少年が、出世できないくらいなら、死んでもかまわないなどという、固い決意をいだいていようとは、誰が見ぬけたろう?"1830年発刊の本書は世界の十大小説の一冊。フランスのリアリズム小説の出発点。

個人的には主宰する読書会の課題本として再読しました。

さて、そんな本書は製材小屋のせがれとして生まれるも、華奢なからだつきで虐待されていたジュリアン・ソレルが、たまたま町長レーナル家の家庭教師となるのですが。。

と、誰もが知るあらすじは割愛。さておき、本書は実際に本書の数年前に起きた『ベルテ事件』を下敷きに創作されているのですが。『古典』あるいは恋愛小説として読む私たちと違って、当時の人たちがどのように本書を受け止めたのか。おそらくは【かなりの『社会風刺作』だったのではないだろうか】と、あらためて思いました。

また、本書執筆当時の著者が40代と知り。その創作意欲に【同年代として刺激を受けて】失意の中でも精力的な姿を脳裏に浮かべて感銘を受けたり。

数多く引用されたり、映画化、舞台化されている一冊として。また、やはりリアリズム小説の始まりとしてオススメ。

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