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Jason Fourthroom

"彼女が彼にとって特別な意味を持ったのは 彼女が死んでからだった。 彼女は 新幹線に130メートルもはじき飛ばされて死んだ。なんと130メートルだ"2022年発刊の本書は26年の時を経て刊行された第一詩集。可愛い彼女。ウサギ。僕。

個人的にはメタバースで詩の朗読会もしていることをキッカケに本書を手にとりました。

さて、そんな本書は幅広い作風で知られ、近年は小説に留まらず、漫画の原作、実写映画の脚本・監督、アニメシリーズにも関わる多才な著者が、小説家デビューの2001年から5年前、1996年に【舞城王太郎名義で執筆していた未発表詩】を、あらためて第一詩集として刊行したものなのですが。

独特のスピード感とリズムを持った口語文体を特徴とする著者らしく、一方で断章形式のように続く、彼女と僕、ウサギの物語は様々な情景が浮かんできて心地よい。

ちなみに、心地良すぎて声に出す。朗読もしてみたのですが。こちらもこちらで違った感覚が楽しいです。黙読派の方も良ければ。

著者ファンはもちろん、日常的で幻想的な言葉たちに没入したい方にもオススメ。

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