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じゃりん子チエ 34

"長い間『じゃりん子チエ』を読んでいただいてありがとうございました。とりあえず書いたマンガ(中略)それがもう二十年です。その間はただただ〆切に終われる毎日でした"2023年発行の本書は『大阪ほんま本大賞』特別賞受賞作、新規3本の描き下ろし短編収録の保存版的一冊。

個人的には昭和生まれ、大阪に縁あるものとして懐かしくて仕方ない『じゃりん子チエ』その最終回を知らなかったので受賞を機に本書を手に取りました。

さて、そんな本書は各約20ページ、10話にかけて。二人組の"カルメラ"の両方の奥さんにダブルで子どもが出来たことを祝うチエちゃん他の様子、その裏で"相変わらず"出産日をバクチの対象にして、一山当てようとするテツの(バレバレな)企て、その顛末が描かれた後、皆で記念写真を撮って大団円となるわけですが。(新規3本は買った人のお楽しみとしてさておき)

いやあ。子どもの時の記憶でぎりぎり思い出せるとはいえ、ネットやスマホ、SNSはなくも、でも一方で"出産をみんな事として当たり前に祝う"人情に溢れ、身近な繋がりが豊かにあった昭和、その空気感が保存されていて。懐かしく、そして愛しかった。

また、作者による特別書き下ろし短編が令和の時代になっても新たに読めるとは!そして、その良い意味での絵柄や内容の変わらなさに様式美というか安堵感も覚えたり。

大阪に縁がある方はもちろん、昭和の下町の空気感を知りたい方にもオススメ。

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