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現代思想 2022年9月号
"幼稚ではないメタバースとは何かと考えると、なんだろう、僕が思い浮かべるのは高架下の焼き鳥屋さんのイメージなんです"2022年発刊の本書はドミニク・チェンと安田登の討議を冒頭に、メタバースの未来について論者たちが自由に寄稿している良書。
個人的にメタバースに可能性を感じて、芸術大学や読書会といった企画をしている事から本書を手にとりました。
さて、そんな本書は新型コロナの影響下、旧Facebook、現Metaが2021末にメタバース領域に年間約1兆円規模の投資を行うことを発表、メタバースブームが起きていた当時の熱量を背景に、情報学の研究者ドミニク、チェンとVR技術にも詳しい能楽師・安田登の討議もとい対談から始まり、三宅陽一郎、喜多千草、近藤銀河、リュドミラ、難波優輝、長門裕介、斉藤賢璽、吉田健彦、木澤佐登志なとが、メタバースの定義や歴史、歌舞伎や文楽とバ美肉、メタバースと"いき"、メタバースの中でアバターが如何に充実した生を送りうるか。などなど様々な論点で語っているのですが。
ブームも良くも悪くも落ち着き、爆発的な成長こそ一段落している2024年現在、あらためてメタバースに2022年当時は近未来的な、一足先のユートピアみたいな未知のワクワクを論者たちと同じく私も感じていたなと実感する。
一方で、美少女アバター(バ美肉)他のジェンダーを超えて『自由な外見になれる』、現実から逃避できる。と広まったイメージが、かえってメタバースの可能性を狭めているのでは?といった指摘もあって、個人的にはこちらにも共感しました。
メタバースの可能性を感じている全ての方に"今だから"オススメ。
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