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アマゾン銀行が誕生する日

"本書は、分析の対象を次世代金融産業に移し、同産業における戦いの構図を分析し、主要各社の戦略を読み解き、関連するテクノロジーを解説し、日本の活路について考察しました"2019年発刊の本書は変化の著しい金融業界を俯瞰的に分析した良書。

個人的にはアマゾンには買い物はもちろん、動画視聴など様々にお世話になっていることから手にとりました。

さて、そんな本書はMUFJ銀行から外資系金融機関を渡り歩き、現在は企業戦略&マーケティングを専門とする著者が、序章として2025年の近未来シナリオを紹介した上で、第1部【『金融のあるべき姿』を問い直す戦い】第2部【金融ディスラプターの戦略】第3部【既存金融機関の反撃】と3部構成で、金融機能が他分野の新興企業に『疑似的に創造されている』現在。アマゾンはもちろん、世界最先端のフィンテック大国、中国におけるアリババやテンセント、そして国内の楽天やLINE、ヤフー・ソフトバンク連合の戦略を分析。その上で、ゴールドマン・サックスやJPモルガン、日本のメガバンクといった『既存金融機関』の反撃の様子について紹介してくれているわけですが。

タイトルからてっきり、アマゾンの話が多いのかと思いきや、中国のフィンテック事情も含め米中の『テクノロジー企業vs既存金融機関』の現状を俯瞰的、バランスよく分析してくれていてわかりやすかったです。

また、著者が金融後進国の日本の先行モデルとして注目する『世界一のデジタルバンク』シンガポールのDBS銀行の『自らを破壊する』ガンダルフ・トランスフォーメーションなどは全く知らなかったので勉強になりました。

金融機関につとめる方はもちろん、金融業界の世界的現状を知っておきたい方にもオススメ。

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