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SAE HONDA "Anthropophyta / 人工植物門"

ジュエリー作家 本多沙映による企画展示「Anthropophyta / 人工植物門」2022年1月14日(金)〜1月29日(土)の期間、 (PLACE) by methodにて開催いたします。

オランダ・アムステルダムでコンテンポラリージュエリーを学び、コンセプチュアルでありながら、美しいジュエリー作品を発表している本多沙映



彼女が、プラスティグロメレート(Plastiglomerate)という新種の石にインスピレーションを得て、街中に落ちているプラスチックゴミなどを材料とするアートプロジェクト「EVERYBODY NEEDS A ROCK」(2016~)で生み出した、唯一無二の色柄を纏った人工石の作品は、アムステルダム市立美術館に永久所蔵されるなど、国内外で評価が高まっています。



一方、部屋の片隅や街角で、水も光も求めず静かに佇む「造花」は、天然植物のように科学的な研究や観察をされることなく、密やかに、そして確実に我々の日常の中で繁殖し続けています。そんな未開の植物群に興味を持った彼女は、独自に身の周りの造花の採集・観察を始め、造花の工場が集まる中国・広州へと渡りました。


その後「造花が植物学上で正式に植物と認められた」という、架空のストーリーから始まるセミフィクションの植物図鑑『Anthropophyta / 人工植物門』が、2020年にtorch pressより刊行。

本展では、同書の世界観をさらに発展させ、突き詰めて造花の観察を記した写真作品や、造花を材料として扱い、立体作品に昇華させた最新作のオブジェクトシリーズの他、アーカイブコレクションやジュエリー作品を展示・販売します。

プラスティックという現代社会における環境問題の観点からは忌避される素材に対しても、美意識を持って向き合う姿勢と豊かな想像力は、私たちに新たな視座を与えてくれます。


BOOK:『Anthropophyta / 人工植物門』

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「人工植物が植物学上で正式に植物と認められた」という架空のストーリーから始まる、虚実を織り交ぜたセミフィクションの植物図鑑『Anthropophyta / 人工植物門』 。

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本書は絵本作家として有名なレオ・レオニの作品群『平行植物』をインスピレーションにした学術書の体裁を模した作品です。

ー本書は造花(以下、アンソロポフィタ)のひとつひとつの個性が天然植物のように、センス・オブ・ワンダーをもって観察され、愛でられるような機会をつくろうと試みた半空想博物誌なのだ。
(プロローグより)

出版元:torch press
 仕様:140 x 190mm / ソフトカバー / 176P

Leaf specimens of Anthropophyta

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書籍に登場する、本多がこれまで採集してきた計100 枚の造花の葉っぱの標本「Leaf specimens of Anthropophyta」には、それぞれの葉っぱの収穫場所などの情報や、観察文が並びます。

Micrograph of Anthropophyta

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造花の葉っぱを顕微鏡を通して撮影した写真作品シリーズ「Micrograph of Anthropophyta」。人工物である造花のミクロな空間を拡大し、観察して見つけた新しい世界の記録です。

Crafting with Anthropophyta

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造花をクラフトの材料として扱い、加工を施したオブジェクトシリーズ「Crafting with Anthropophyt 」は、造花の特性を自らの手を使いながら研究し、ユニークな加工技法を模索して生まれた成果物です。

《アーカイブコレクション》
本展メインコレクション「Anthropophyta / 人工植物門」の他、代表作「EVERYBODY NEEDS A ROCK」をはじめとする作品や、新作のジュエリーを販売します。

EVERYBODY NEEDS A ROCK(2016 – on going)

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プラスチックゴミと自然物が熱によって溶け固まり生成された、プラスティグロメレートという新種の石に着想を得て、街中に落ちているプラスチックゴミなどを採取し、材料にしている。

Future Primitive (2017)

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「EVERYBODY NEEDS A ROCK」プロジェクトの人工石を使ったジュエリーシリーズ。既存の古典的な装身具やアミュレットなどのデザインを再解釈・編集した動物モチーフが組み込まれている。

Tears of the Manmade(2021)

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自然の模倣という枠を越えて、人工だからこそできるユニークな形を探求してできた硝子真珠のジュエリーコレクション。

作品を通じて見えてくるのは「フェイクの自然」へのまなざし。人工( imitation )だから美しくない訳でも、劣っているともみなされる訳でもないと本多は言います。
自然物と等価に、その美しさについて思考する制作からは、他にない物語が立ち現れます。ぜひご高覧下さい。

" Anthropophyta / 人工植物門"
会期:2022年1月14日(金)~1月29日(土)
閉廊日:日曜日
時間:12:00~19:00
会場:(PLACE) by method
住所:150-0011 東京都渋谷区東1-3-1 カミニート#14
地図:http://goo.gl/maps/nzyvr
電話番号:03-6427-9296
ECサイト:https://placebymethod.com
参加作家:本多沙映
作家在廊日(予定):1月14日、15日、21日、22日、28日、29日
主催:method inc.
本多沙映 Sae Honda
2010年に武蔵野美術大学工芸工業デザイン学科を卒業後、2013年からアムステルダムのヘリット・リートフェルト・アカデミーのジュエリー学科で学び、2016年に卒業。その後、国内外でジュエリーやアート作品を中心とした作品を発表するほか、コミッションワークも手がけている。作品はアムステルダム市立美術館と、アムステルダム国立美術館に永久所蔵されている。
https://www.saehonda.com/

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