見出し画像

昔話に学ぶ《せ》

こぶとりじいさん

結構有名なのではないかな?

僕も絵本でも見たことあるし

にっぽん昔話でも見たことがある

13世紀に成立した『宇治拾遺物語』

に収録された

「鬼に瘤取らるる事」をベースとし

変化した物語


この物語

いいことをしたらいいことがある

悪い奴には悪いことが

の勧善懲悪や因果応報とは

少し違っていて

これまた奥が深い

内容は以下…


ある山奥の村に、

ほっぺたに大きなこぶのついた

おじいさんが2人、

隣同士で、暮らしていました。

1人は大変正直なおじいさんで、

左のほっぺにこぶがあります。

もう1人のおじいさんは、

正直でないおじいさんで、

右のほっぺたに、

こぶがありました。

ある日、

正直なおじいさんは、

山へ木を切りに行ったのです。

すると、

大雨が降り出し、

杉の根元の穴で休むことにしました。

そして、

いつの間にか、眠ってしまい、

お祭りのような音で、目が覚めます。

そうすると、

木の前の広場に、

大勢の動物や天狗や鬼、

化け物のようなものがやって来て、

酒盛りをはじめ、

歌ったり踊ったりしだしたのです。

おじいさんは、

踊りが大好きだったので

じっとしておられません。

ですので、

おじいさんは、

穴から出てきて、

踊りだしたのです。

みんなは、

最初驚きましたが、

おじいさんの踊りがとても上手だったので、

一緒に踊ったり、歌ったりします。

朝になって、

「面白いじいさんだから、

明日も来てもらおう。

その大事なものは

預かっておくことにしよう。」

とその山の頭の鬼がいうのです。

そして、

キツネがこぶをかみとって、

そのあとを猫がキレイになめました。

それから、

おじいさんは、家に帰ると、

おばあさんは、

「おじいさん、こぶはどこにやったんですか?」

と、大喜びしました。

そこへ、

隣のおばあさんがやって来て、

こちらのおじいさんを見て、驚きます。

すると、

隣のおばあさんは、

「うちのおじいさんにも行かさないと。」

と、帰っていきました。

さて、

その晩、

隣のおじいさんは、山に行って、

穴に入って待っています。

そうすると、

夜中になって、山に住む者たちがやって来ると、

天狗やら、化け物を見て、怖くなります。

やがて、

酒盛りをしだした山の物たちは、

穴の中で、ブルブル震えている、

隣のおじいさんを見つけます。

隣のおじいさんは、

怖くて泣きそうになりながら、

踊ろうとしますが、手も足も思うように動かず、

尻もちをついてしまいます。

ですので、

山の者たちは、怒ります。

そして、

ほっぺたにこぶがあるのを見つけると、

「夕べのじいさんじゃないぞ?」と、

騒ぎだしました。

そうすると、

お頭が、

「もうひとつ、こぶをつけてやろう。」と、

昨日取ったこぶを左の頬につけます。

なので、

隣のおじいさんは、

両方のほっぺたに、大きなこぶがついてしまい、

泣きながら、家に帰りました。

おしまい。


こぶのついたじいさん達の

すったもんだがありましてのお話

こぶを自由自在に取ったり付けたり

マグネット式かのような柔軟性

鬼やキツネ、ネコは

優秀な外科医だったのかもしれない。


成功をおさめた者の

そっくりそのまま真似しても

背景や人柄・性格までは真似できない。

環境やヒトによって

方法や確率も変わってくるし

どうしてそうなるに至ったかは

たまたまかもしれないし

そうなるべき理由があったのかもしれない。

これは他の物語にもあったね

さるじぞう、花咲じいさん、おむすびころりん

いくら体の奥から沸き起こる衝動を

抑えきれなかったとしても

どうして

鬼、化け物や獣たちの中で

踊れたのだろう

かなりの踊り好きであったとしても

クレイジーすぎやしないか

メンタルの化け物なのかもしれない

ポジティブシンキングすぎる。

正直かどうか

そんなん一旦置いておいて

あの環境を楽しめる

そういう覚悟の重要性が

成功へ導いた

一つの要因だったのかもしれない


この物語は

展開の中で

こぶに対する認識が

変化しているのも面白い

クレイジーメンタル

ダンス大好きハッピー爺さんのこぶは

明日も来て欲しい

必ずや来てもらいたい

だからこその

まるで人質のように

まるで我が子のように

大事なものかのように

かっさらわれた”こぶ”

恐怖に慄く

弱弱メンタル

かかあ天下じいさんのこぶは

不要なもの、困るもの

怒りをぶつけるもの

見え方がマイナスの物質となっている


同じものであったとしても

ヒトによって

見え方は違ってくるし

見せ方によって評価も変わる

見せ方にもいろいろあって

過酷な戦場で

全くもって関係なくても

自身の自信のあるもので勝負し

関係を築いた状況のなかで

商談に持ちかける

非常に高尚なテクニックが

異彩を放っていたのかもしれない。

不幸の象徴のようなもの

罪や罰のように扱われる”こぶ”

見せ方次第で

めちゃくちゃいいものに

見えることもある

そんなことを教えてくれている。

徳島県上勝町の

限界集落で行われる

葉っぱビジネスを思い出した。

え?葉っぱなんて何に使うの?

おじいちゃんおばあちゃんしかいない村で

何が出来るの?

そう卑下される環境の中で

山に生い茂る葉っぱを

食の彩として世界中に発信し

『つまもの』の生産・販売として

大成功をおさめている

株式会社いろどり

この事業を知った時

衝撃が走ったなぁ

え。じゃあ、僕にも出来るのでは。

NON NON

そんな簡単なものではないのだよ。

それに賭ける初期投資もすごいものだったろうし

当時協力していた町の長も

周りの住人からは大反対を受けていたよう

いくら先見の目があったとしても

周りが付いてこないと

少人数だけではやりきれない

それでもやり続けた事業

ホントすごいと思う

結果よければ全てよし

というわけでもないだろうし

過程の苦労も相当だったと思うけれど

ホント成功してよかった事例だと思う。

たかが葉っぱ

されど葉っぱ

限界集落のおじいちゃんおばあちゃんでも

稼げる可能性は秘めている

年齢は関係ないということだ

ともなれば…

障害のあるなしなんて

もしや”稼ぐ”には関係なんてないのかも

方法は様々

まだ未知の可能性だって秘めている

それを見出すのが

就労移行支援の

課せられたものなんじゃないだろうか。

そんな熱い思いを

こぶじいさんに学んだよ。

画像1

我が家の長男坊も

稼ぐことが出来るようになるかしら

方法は色々あるけれど

辛い悲しいばかりじゃなければいいな

サポートがなんなのかすら理解できていませんが、少しでも誰かのためになる記事を綴り続けられるよう、今後ともコツコツと頑張ります!