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昔話に学ぶ《た》

昔話は

日本だけじゃない

世界にも

各国の語り継がれる昔話がある

今日はザンビアの物語

『うさぎのツノ』


むかしむかし、

ゾウが宴会を開こうと思いつきました。

そこでビールやごちそうの用意をすると、

獣たちを呼んで言いました。

「このビールは、

 ツノのあるものだけに飲ませてやる。

 ツノのないものはダメだ。」

獣たちはゾウを怖がっていたので、

皆大人しく言うことを聞きました。

けれども、

ウサギは自分にツノのないのが

残念でなりません。

「おいしいビールだろうなあ。

 なんとかして、宴会に行く方法はないかな?

 そうだ、ツノを手に入れればいいんだ。」

ウサギは茂みに隠れて、

若いシカが来るのを待ちました。

そして

シカが茂みの傍を通り過ぎようとした時、

シカの背中に飛びのったウサギは、

すばやくシカのツノを切り取って、

自分の頭に貼り付けたのです。

こうしてウサギは、

大いばりでゾウの宴会に出掛けて行きました。

ゾウはウサギを見ると、驚いて言いました。

「ウサギのツノが、一番立派じゃないか。

 たいしたものだ。さあさあ、遠慮なく飲め。」

他の獣たちも、

口を揃えてウサギのツノを褒めました。

ウサギは、

ビールを誰よりもたくさん飲みました。

酔っぱらって、フラフラになるほど飲みました。

そこへ突然、年寄りのシカがやってきました。

ウサギは、シカに尋ねました。

「おやおや、ずいぶん遅くおいでだね?

 おじいさんにはツノがないのかい?」

「わしは、おまえがどんな顔をして、

 ビールを飲んでいるか見物に来たのさ。」

と、年寄りのシカは答えて、

ウサギの傍に座りました。

そして、

ウサギの方にそっと身体を屈めて、

ヒソヒソ声で言いました。

「貼り付けたものは、剥げてしまうぞ。」

お客の獣たちは、

シカがウサギにどんな内緒話をしたのか、

知りたがりました。

ウサギは笑って、答えました。

「こんな爺さんのことなんか、

 気にしなくてもいいじゃありませんか。

 なにね、シカの爺さんはご馳走を食べ過ぎて、

 くだらんことをブツブツ言ってるんですよ。」

年寄りのシカはそれを聞いて、

今度は大声で言いました。

「貼り付けたものは、剥げてしまうさ!」

ゾウとお客たちは、

ウサギのツノをジロジロ眺めました。

ウサギはビックリして、

ガタガタと震えだしました。

その途端に、

貼り付けたツノが剥げて、

地面に落ちてしまいました。

ウサギは一目散に、逃げて行きました。

おしまい…


日本にも

「とにかく」という言葉がありますが

漢字で書くと「兎に角」

(兎には角に似た形の耳はあるが、

角はないところから) 

実際にはないものをあるとすること。

または実際にはないことの例え。兎角(とかく)。

と日本国語大辞典にて解説があります。


仏教の逸話から生まれた

「兎角亀毛」という言葉があるよう。

ウサギに角も無いし、

カメに毛も無いということから、

この世に存在しないもののこと。

「とにかく

(有り得ない事が起こったとしても)」

を前置きとして使うことで

「今から言うことは当然なこと」

と自分の話の正しさを強調することができる

では

「とにかく」は強調?

いやいや

「いずれにせよ」「どちらにせよ」だから

「とにかく」は結果を急いで

自信のあるなし関係なく

言い切りのようなニュアンスが強いかと

つまりは

「とにかく」は(割と強引めに)断言

ということかと思われます。

ちなみに

毛のあるカメ…

ミノガメという甲羅に藻を生やしていて

毛が生えているように見えるカメはいます。

そして角の生えたうさぎも…

こちらはフェイクニュースでした。

角の生えたうさぎは未だ発見されていません。

ジャッカロープ見てみたいな。

まるでドラクエのキャラクターみたいなのかな。


あらま。話が逸れた。

可愛らしいお話でしょ?

『うさぎのツノ』

出てくるのが動物だからかな。

でもよくあるよね。

見栄を張って

虚偽したり

誇張したり

結局痛い目を見るって話

働く場においてもよく見る

物事が上手く円滑に進むのであれば

虚偽も誇張も

それは

テクニックの一つだから

僕はいいと思うの

でもね

調子に乗っちゃいけない

今回のウサギの失態は

嘘をついたこと

ではなくて

嘘をついた上に

他者を馬鹿にし

調子に乗った

ここよね。

そりゃドキドキして

いつものウサギの様子

じゃなかったんだと思うよ

いつもよりもおしゃべり

だったんだろうし

あと、

皆にもバレるくらい

通常はあり得ないことを

さもあり得るかのように振舞うには

ただ単純にウサギのテクニック不足

だったのかもしれない

素直に

ツノはないんだけど

飲み会参加させてって

お願いしたら

何かしら変わったかもしれないし

ドキドキハラハラする

必要もなかったかもしれない

楽しいは正義だし

結果よければいいんだけれど

他者を傷つけてまで自分の利益や

欲望をかなえる行為は醜くて

なんだか可哀想であることであるんだけど

どうしてもヒトは欲望が強くて

今回のようなことが

世間一般にも

当たり前のように

繰り返されているような気がするよ。


日本国憲法には

基本的人権の尊重ってのがあってね

平等権・自由権・社会権・参政権・請求権

この5つが権利として

尊重されている。

人間らしく生きる権利

福祉の世界では

よりフラットな視点が

必要なんだと思うんだけれど

どうしても自分基準だったり

知ってる知識で戦ってしまうことが多い。

そもそも色んな動物が交流している話

いざこざや理解できない思想思考があって

当たり前

ウサギは飲み会に参加したかった

しかもタダで。

だから奇行に出た。

そもそもゾウの開いた宴会は

ゾウが身内として認める

仲の良いものだけで実施したかった

そもそもの目的がズレていたことが

今回の結果を招いたのだと思う。

皆と仲良くする必要はないけれど

ウサギがゾウの意図に気付ていれば

傷付くことも、シカを傷つけることも

なかったのになぁ

犯罪がなぜ起こるのか

他者を傷つける者がどうして生まれるのか

結局

人が欲に弱いから

だからこその話で

そんな根本的な課題

これは0には出来るわけがない

悲しいなぁ

でも

欲があるからこそ

ヒトは

前に進むし成長する

進歩する

良くも悪くも欲があるからこそ

なんだなぁ...

しみじみ考える

…そんな夜でした。

サポートがなんなのかすら理解できていませんが、少しでも誰かのためになる記事を綴り続けられるよう、今後ともコツコツと頑張ります!