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よいよいよいこ、君はとってもよいこまる

隣の家に赤子が生まれたようで、めでたいことこの上ない。
といっても半年?一年?ほど前なのだけど、たまに見かけるといつも何かに不満があるように泣いていてかわいい。まあそれは私が他人だからなわけで、親はいつも大変そうだ。


赤ん坊という生き物は良い。
有難いことに私は姪や甥、友人の愛しい赤ん坊たちをこの腕で抱かせてもらったことがあるけれど、例外なく皆いいにおいがしてしっとりと温かかった。
世界中どこを探してもここにしかない、生まれたてのいのちのある今だけの特別なものに感じて、たっぷりの愛おしさと少しの恐ろしさで胸がはち切れそうになる。

赤子は泣くのが仕事だといわれているが、それでいうと隣の赤ん坊は勤勉である。
可哀想に、まだ地球に馴染みがないせいでこの世の空気に不快感があるのだろう。夜にギャンギャンと泣く声が聞こえてくることがある。
そしてもっと可哀想なのは親だ。
愛しくてかわいい我が子であっても、眠りの時間を大音量で妨げられるのは精神的にも肉体的にもかなりの負担であろうと思う。


昨年、たまたま実家に帰省していた際に熱が出た1歳半の姪を二日ほど預かったのだけれど、たった二晩で私は控えめに言ってしにそうだった。
パパとママが居ない+熱で苦しい+慣れないお家で姪は泣きに泣き続け、母と交代で姪を抱えたりミルクを飲ませたりしてなんとか乗り切ったが、これを毎日やっている兄夫婦はすごいな…と尊敬した。
作業用にPCも持っていったのだが一度開いたところ姪がいじくり倒すのですぐに閉じて仕舞った。
在宅で子供みるって無理なんだなと思った。
熱を出した姪が急に来たことにより、私は本来の帰省中の予定をいくつかキャンセルした。
私にとってはそれは仕方ないことだし全然よい。けれど約束していて相手には申し訳なくて、これが子持ちと距離ができてしまうメカニズムか…!と過去を思い出してアハ体験のような感覚を味わった。

隣の家の赤子の声が聞こえてくるといっても、隣と面している風呂場でだけだ。リビングに入れば全く気にならない。
それどころか夫は赤子の声が聞こえると「今夜も俺の後輩が元気で何よりだな」と嬉しそうにしている。後輩…?人間の…?
ていうか下手したら多分うちの方がうるさい。
夫の趣味のオンラインゲームやギター、酔うと大声で笑う私、歌って踊る私たち。いや絶対うちのがうるさいだろ。

だからどうかお隣さんが迷惑かけてるなんて思わずにのびのび過ごしてくれていればいいなと思う。
とはいえそんなこと直接言うのも変な話なので、「大丈夫ですからね〜〜」と念を送るくらいしかできないんですけど。
すべての赤子たちと護るものたちにどうか幸あれ。


愛の讃歌/エディット・ピアフhttps://open.spotify.com/track/2qzRf1nn7hFpVod2PHhqB3?si=iH4-LfVUTjSGGGnljaWB_Q

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