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『薔薇の紅茶』由来 フラッシュメモリー20220508

演出家が踊り子の足の裏に唇をあてて、薔薇色のコトバを吹き込む(『夢の棲む街』)____に倣って、[薔薇の紅茶]をリリース。そのレシピノート。
10年くらい前から薔薇の紅茶は、試行錯誤して作ってきた。
始まりは、パラボリカ・ビスでのお茶会。BABY,THE STARS SHINE BRIGHTとコラボで依頼されて、慌てて珈琲党から紅茶に乗り換えた。マリアージュフルールくらいは、軽くこなしている/いくロリータたち。テーマに合わせてケーキに合わせて紅茶を選んだでいった。ゴスロリで天使で…では[ブラックサンダー]を…すぐに覚えて…お母さんを連れていって調達して、飲んで…次のときに[デイライトシャイニング](昼間の日のように明るい満月の夜に摘んだお茶。ダージリン地方は満月のお茶を大切にする…)すると、あのう、この間の「ブラックサンダー」の方が好きです…なんて銘柄指定での突っ込みが返ってくる…いいなぁ…このこなし力。テーマに合わせて、組み続けていたのだが次第に手が詰まってきたし、ちょっと自分も退屈してきた。あとフレーバー系なのが気にかかる。
その頃、リーフル・ダージリン・ハウスに出合った。銀座のマリアージュフルールから大きな通り挟んだ向かいの位置にある。本当にたまたまみつけた。『トリコロール』でコーヒーを飲もうと歩いていたら目の隅に入ってきた。そこではじめてリーフの紅茶に出合った。(ここからの話は長いので割愛して…)店長さんや若手のバリスタと親しくなって、新しくお茶が入ってくるたびに、試飲してメモをつけてベストの時間を探したりした。ビスでお客さんに「そのうちブレンド茶したりとかね…」と言われたりしてからかわれたが、本心、それはないよ。と、思っていた。
それでも、アンプリの展覧会に合わせて薔薇の紅茶をブレンドすることになった。薔薇の紅茶と言ったら、萩尾望都『ポーの一族』。薔薇の紅茶はなかなか難しい、花びらが生に近いと、苦味がでる。色が濁る。エキスを使えば香りはするが味になかなか反映しない。けっこう、難しくて、これだ!というものにできなかったし、世の中にも余りなかったように思う。(知らなかっただけかもしれないが…)今は紅茶の世界もブレンドティーもかなり進んだ感じがする。薔薇の香りと味を出す温度帯と紅茶の香りと味の温度帯が違うので、そこをこまめに調整して淹れていた。
それからまただいぶたって、自分のお茶事情は激変し、今は、赤羽卓美さんと一緒に、島根・白谷、大分・杵築、神奈川・清川と三ヶ所に無農薬無施肥の茶畑を管理している。
今回は、白谷で生産した紅茶(もちろん無農薬無施肥)をベースにローズの花びらと矢車菊を合わせて、「薔薇のお茶」をブレンドした。


吉賀町・白谷の無農薬無施肥の茶畑。

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