熱戦

兼ねてから俺のM1グランプリでの躍進を応援してくれていた女性にようやく漫才を見せることができた。
その女性は最初から笑っていた。
まだ喋り始めてもないのに爆笑してた。
ああ、この瞬間のために俺は
俺はこの輝いた瞬間を迎えるために
生きてきて、そしてようやく出会えたんだ
と感じた。
手で顔を隠しながら恥ずかしそうに
嬉しそうに笑う彼女を見て
俺は早くこの漫才を終えて
想いを伝えたい。
2分半しかない台本がロードオブザリングのように長く感じた。
愛しい人、、、心の中のスネアゴルが欲しがる。
気持ちを抑え漫才を終え
どうもありがとうございました。
彼女は立ち上がって手を叩いてくれた。
そして俺は照れ臭く、しかし男らしく堂々と
好きですと伝えた。
彼女はわかっていたかのような表情で
少し溜めて放った。
「ごめんなさい」



ゲロ吐きそう。

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