RAINBOWの終焉🌈

2021年2月23日 17:04

1984年3月14日
最高気温4度の吹雪に煙る武道館の中で
リッチー・ブラックモアは特別な思いでいたに
違いない。
レインボーとしての最後のツアー、
そして今日がその最終公演である。
この時、既にディープ・パープルの再結成に参加
することが決まっていたリッチー・ブラックモア
は静かに公演開始のベルが鳴るのを待っていた...

トッカータとフーガニ短調～
いつものSEに乗ってメンバーが登場❗️
「Over the Rainbow」でライブスタート❗️

オープニングナンバーは、
アルバム「Difficult to Cure」発表後は恒例と
なった「Spotlight Kid」だ。
リッチーのギターはいつにも増して冴えに冴え
渡っている。
いつものリッチー節を十分に聴かせながら
決めるところはビシッと決める大人のギター。
ウ〜ン、カッコいい❗️

後に続くジョーとの数々の共作曲を聴くと
やはりリッチーはかなりチャートを意識して
いたんだなと言うのが改めて伺える

ドラムのバーギもキーボードのデイブも
そもそもはハードロック畑のミュージシャン
ではなく、スタジオ系のミュージシャンだ。
その点からもリッチーのチャートへの意気込み
を沸々と感じる。

半ばに往年の名曲「Catch the Rainbow」
を挟んでくるあたり、なかなか粋だなぁ。
てもこの曲「Little Wing」にそっくりだ。

そしていよいよ「Difficult to Cure」
リッチー念願のオーケストラとの共演。
素晴らしい演奏だ❗️本日のクライマックス❗️
リッチーはまるでタクトを振る指揮者の如く
身体を揺らしながら指板の上にスライドバーを
滑らせる。まさに悦に入った演奏だ。
リッチーと観客がひとつとなり場内のボルテージは
最高潮にまで上り詰めた。

オーケストラとの演奏後、ギターをかき鳴らす
リッチーのステージパフォーマンスはまるで
これまで自分が創造し続けてきたものを破壊
するかのように狂気じみていた。
皆がレインボーの解散とどこかリンクするものを
感じざるを得なかった。

後半の「Death Alley Driver」ではおそらく
メディアの要望であるリッチー、ジョー、ロジャー
のスリーショットを収めることができるステージ
パフォーマンスを観せ、

最後の曲はジョーが冒頭で歌を入り損ねると言う
ハプニングが観れる「Fire Dance」で一旦幕を閉じることになる。

アンコールは往年のヒット曲
「All Night Long」、
「Since You Been Gone」
を含むメドレー。
そして本当に最後の曲はリッチーとジョーの
デュオから始まる「Smoke On The Water」。
最後の最後は観客も一緒になって

Smoke On The Water ♪Smoke On The Water♪

「Ritchie Blackmore's Rainbow」で始まった
レインボーではあるが
ロニー・ジェイムズ・ディオ、
コージー・パウエル、リッチーの3人が三巨頭と
呼ばれるようになった頃からはバンドの体裁を
取るためレインボーと改名した。
しかし結局はリッチー無しではレインボーの存続はあり得ないと言う観点から言うと、
「Ritchie Blackmore's Rainbow」
と言う形で終焉を迎えたといっていいだろう。
逆にディープ・パープルがリッチー脱退後も存続
しているという事からディープ・パープルがリッチー主導のバンドでは無い事が皮肉にも顕著に表れている。

さて、
レインボーを解散させディープ・パープルの再結成に
参加したリッチーが早速着手したのがニューアルバムの「Perfect Strangers」
このアルバムは実に素晴らしい出来であった。
往年のパープル様式美を踏襲しながらもメンバー
達の長年培ってきた経験から醸しでる渋みのある
演奏。
チャートを無視した極上のハードロックアルバムだ。

がしかし、観るものを驚かせたのは
その後のツアーでのリッチーのやる気のなさだ。
レインボーでの最終公演で魅せた溢れんばかりの
パワーとオーラは見る影もなく、ただ淡々と仕事をこなしている。
ギターに冴えは全く無くレインボーの時と同一人物
とは思えない体たらくぶり。ガッカリだ。

このツアーでハッキリしたことはリッチーにとってのディープ・パープルはすでに自己の音楽的欲求の
追求のためのバンドではなくただの懐古主義者達
との金儲けの手段でしかないという事だ。

近年またもやレインボーの再結成で世間を
賑わせているが、コレもリッチーが過去の栄光に
しがみついている姿を懐かしむだけのただの茶番劇だ。もちろん演奏内容は...

コレはみなさんの判断に任せることにしよう。

このライブはレインボーの終焉と共にリッチーの
終焉でもあったと言うことをこの時に気づいた者は
果たして何人いたのだろうか...

セットリスト

1. イントロ:トッカータとフーガニ短調～虹の彼方に
2. スポットライト・キッド
3. ミス・ミストゥリーテッド
4. アイ・サレンダー
5. キャント・ハプン・ヒア
6. 虹をつかもう
7. パワー
8. キーボード・ソロ
9. ストリート・オブ・ドリームス
10. フール・フォー・ザ・ナイト
11. 治療不可（ベートーヴェン交響曲第9番）
12. ギター・ソロ
13. ドラム・ソロ
14. ブルース
15. ストランデッド～ヘイ・ジョー～ストランデッド
16. デス・アレイ・ドライヴァー
17. ファイアー・ダンス
18. メイビー・ネクスト・タイム
19. オール・ナイト・ロング～
ウーマン・フロム・トーキョー～
オール・ナイト・ロング
20. レイジー
21. シンス・ユー・ビーン・ゴーン
22. スモーク・オン・ザ・ウォーター

メンバー
リッチー・ブラックモア（ギター）
ジョー・リン・ターナー（ヴォーカル）
ロジャー・グローヴァー（ベース）
デイヴ・ローゼンサル（キーボード）
チャック・バーギ（ドラムス）

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