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ペナン島ジョージタウンに見る世界遺産の苦闘

マレーシアのペナン島に来ております。

ペナン島の中心部はジョージタウンという歴史ある街になっており、街全体が世界遺産に指定されています。

ジョージタウンは独自の文化や古い街並みがあり、魅力的な場所ではあるのですが、様々な要因から、苦闘しているようにも見えました。

ペナン州は、工業都市としても発展しており、豊かな地域です。そのわりに州都であるジョージタウンは、古びた感じで、薄汚れており、魅力に欠けます。

ジョージタウンは、昔には商業的に繁栄した都市でしたが、いまでは時代に取り残されたようです。

大きな問題は、歩道の未整備、路上駐車、渋滞などの交通政策と、朽ち果てる古い建物という問題です。

ジョージタウンの街並みはショップハウス様式という建築様式で、本来は歩道を雨にぬれずに歩けるようになっています。しかしいまでは歩道部分はでこぼこで、しばしば物がおかれ、側溝が露出しており、とても歩けたものではありません。

そのうえ路上駐車の状況がひどく、細い道でも車がどんどん通るので、歩くのは危険を伴います。

交通政策としては、ジョージタウン世界遺産地域内への自動車の乗り入れ制限、駐車場と公共交通(小型バスなど)の整備、歩道の整備、側溝への蓋設置などを行うべきでしょう。もちろん世界遺産地区での路上駐車は厳しく取り締まる必要があります。

古い建物が多く残るのは魅力でもありますが、その多くは、薄汚れており、あまり手入れはよくありません。いくつかの建物は廃墟となり朽ち果てるに任せされています。

世界遺産として維持するためには、外壁の塗装、屋根の補修、道路の清掃、廃墟の接収などは自治体が責任をもって行うべきです。

ホテルも多数ありますが、どれも古い建物を転用したホテルで、快適さや清潔さには疑問があります。

私がペナンの自治体であれば、ジョージタウンのすぐそばに駐車場やホテルや住宅や商業モールなどを設置し、そこからはミニバスで世界遺産内の各地区に直行できるようにします。

ペナン島というと、昔はビーチリゾートとして有名だったそうですが、いまではジョージタウンの世界遺産地域が最も有名であり、こちらはリゾート色はほとんどありません。通好みの渋い観光地という感じです。

マレーシア政府観光庁が頑張ってペナンの魅力を伝えたから、世界的にペナンの名が有名になり、日本人も多く訪れる観光地となったようです。

しかしながら、マレーシアは工業都市としての発展をどんどん遂げており、訪れた観光客を満足させるような施策は乏しい様子です。

ほとんどの通りは、たいして客もいないのに急ごしらえのカフェやバーが乱立するばかりで、いまひとつ本質的な魅力に欠けています。

本当に美味しいペナン島ならではの食事を供する店はわずかです。

また逆に、観光客にとって買物の利便性の高い、現代的な商店やショッピングモールなども限られています。

要するに古いものも新しいものも微妙に中途半端で、悪い意味で古ぼけた街という感じになっちゃってます。地元民にも不便でしょうし、観光客も満足できない、中途半端な街です。

世界遺産に指定されてしまったがために、開発も進まず、古い家と狭い道がただ残り、なんとも閉塞感のある行き詰った街だなぁ、と。

海外旅行好きであれば、一度は訪れてみたいペナン島ですが、正直いって、海外旅行初心者が間違ってきてしまったら、がっかりするのではないでしょうか。

通好みなので、旅行通は満足するでしょうが、一般観光客はたぶんがっかりして帰ってるんじゃないかなぁ、と…。

中華人民共和国の観光地のように、古いものがぶち壊されてテーマパーク化されるよりは何百倍もマシですが、もうちょっとうまく街を運営してほしいものだと思いました。

マレーシア政府ってタイ政府よりしっかりしてるかと思っていましたが、そうでもないですね…。

これならチェンマイのほうが魅力的です。チェンマイ自体には特別な見ものがあるわけではないんですが、なんとなくチェンマイは快適なんですよ。

ペナン島も移住先として注目されるリゾート地などと言われるので、チェンマイのようなところかと思っていましたが、大間違いでした。チェンマイがカラっとした雰囲気なのに対し、ペナンはジメっとした感じで、カビが生えそうです。

ペナン政府もっと頑張れ!と思いました。

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