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「NTR/寝取られもの」の書き方

※この記事は成人向けではありませんが、成人向け創作に関する内容が含まれます。

NTRジャンルの創作をするときに押さえておきたいポイントをまとめてみました。自分用に小説を想定していますが、漫画やゲームなどにも使えるかと思います。

NTRの種類

NTRという言葉は一般的に「寝取り」「寝取られ」の両方を指します。この記事では「寝取られ」のほうと、さらに「寝取らせ」「BSS」を扱います。個人的にはこれらを含めて広義のNTRだと考えています。

「寝取られ」「寝取らせ」「BSS」の共通点は「主人公ではない他の男とヒロインとの絡み」「主人公(ラレ男)視点」があること。相違点は後述しますが、その違いこそが重要な点でもあります。

ラレ男=ヒロインを寝取られる男。寝取りもの以外ではこちらが主人公になる。サレ夫やサレ男という言い方もある。
BSS=まだ主人公と深い関係になっていないヒロインが寝取られること。「僕が先に好きだったのに」の略だが、好きになった順番はあまり関係ない。

「寝取られもの」の基本プロット

まず基本的なプロット(展開の流れ)を紹介します。

1.主人公とヒロインの日常が描かれ、二人の関係性が読者に示される。
2.間男(寝取る人物)が現れ、ヒロインをエロい目で見る。
3.ヒロインと間男がなんらかの形で対立、衝突する。
4.主人公にとっては普通の日常が続くが、たびたびヒロインの様子がおかしいことがある。

ここまでほとんど共通の展開になります。電話越しのヒロインの様子がおかしかったり、ドア越しに主人公を追い返そうとしたりなどのよくあるイベントがこの段階で起きて、次のパートに移行します。

5A.ヒロインの寝取られが発覚する
DVDが送られてくる、ネットで動画を見つける、などの展開を一度は見たことがあると思います。間接的に知るこれらのパターンと、ヒロインが寝取られている現場に不用意に(あるいは確信を持ちながらそれを認めたくない気持ちで)近づき、直接目撃してしまうパターンがあります。その後の結末は概ね三種類に分かれます。

[受け入れる]
間男との関係を認め、堕ちた彼女を許し、今後も付き合っていくことを受け入れる。主人公が寝取られ性癖に目覚め、表向きは平和なカップルに戻るが、その裏では彼氏公認で間男と浮気する彼女と、そんな彼女に興奮する主人公が描かれる。

[関係修復する]
間男が飽きて去る、あるいは主人公が頑張って間男を排除し、彼女との関係を修復する。身体は満足していないが、精神的には満たされている彼女が描かれてエンド。関係修復できたと見せかけて、実は間男との関係が続いていたというパターン(5B)もある。

[破局]
彼女に別れを告げられ、捨てられる主人公。未練たらたらな日々を送る主人公と対照的に間男と快楽を貪るヒロイン。あるいはヒロインも間男に捨てられている、などの結末が描かれてエンド。

5B.寝取られが発覚しないまま、元の日常に戻る。
寝取られものには発覚しないで終わるパターンもあります。4.の後しばらくするとヒロインに様子のおかしいことはなくなり、以前にも増してヒロインとの関係が深くなって(結婚する、子供ができるなど物語開始時より関係が発展する)表向きの結末を迎えます。その後、幸せな日常の裏で実は間男と引き続き関係を持っている彼女が描かれて終わります。子供の父親は間男だが主人公がそれを知らない托卵エンドになることも多いです。

みなさんはどの終わり方が好きですか? 関係修復できたと見せかけて実は裏で間男と……のパターンが私は好きです。

各パートの重要ポイント

ここでは各パートを詳しく解説していきます。

全体を通して

小説を書くときには「視点をブレさせない」ことが重要とされます。これは寝取られでも非常に大事なポイントになります。寝取られ発覚まではなるべく主人公視点を維持し、ヒロイン視点や間男視点は"合間に挟む"のではなく"後から見せる"ようにしましょう。

読者は主人公であるラレ男を通じてヒロインが寝取られているかもしれないドキドキ感を味わい、発覚時のショックや興奮を共有します。途中で視点がブレているとその興奮が薄れてしまうのです。漫画など媒体によって難しいこともありますが、エロシーンが始まったらすぐにヒロイン視点になるのではなく、主人公視点でのモヤモヤやドキドキを先に書いてから「後出し」でエロシーンを書きましょう。

日常

日常パートで重要なのはヒロインの魅力を伝えることです。主人公は当然ヒロインに恋心ないし愛情を抱いているのですが、それ以上に"読者"をヒロインに惚れさせる必要があります。読者自身がこの子可愛い! 好き! と思ったキャラクターが、「読者の分身である主人公」以外の男とエッチなことをするから興奮するのです。

そのためには主人公と恋仲である、夫婦であるという設定を形式的に伝えるような描写だけではなく、そのヒロイン固有の魅力が伝わるような描写を心がけましょう。過去に自分が好きになったキャラクターを参考に、"読者"が思わず恋してしまうようなヒロインを考えてみてください。

もう一つ大事なのは主人公がヒロインをエロい目で見ることです。間男だけではなく、主人公もヒロインに対して性欲を抱いていることを示しましょう。

間男に求められるもの

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