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なぜ今日は千の風になって?

今そこにあるストーリー

いつものボランティア歌会で一曲歌い終わって…

「Uさん、上を向いて歩こう知ってますか?九ちゃんの?」
「みゃー」
「九ちゃんのお兄さんの名前は知ってますか?ハッチャンです」
「みゃー」
「知ってましたか?では、次の曲は、愛燦燦です。知ってますか?」
「みゃー」

そう…
いつも口を動かしていて、返事は…
「みゃー」
だけ…

そんな思い出のおばあちゃんことを少しだけ

その日の朝
ある利用者さんから
「千の風になってを一緒に歌いたい」
という要望があって…

目を点にして焦りましたよ。
(心の中で難易度高い)
あんな低音から高いところまで音域ないし
そもそも歌ったことない(-。-;

でもハイかイエスかヨロコンデで受け取らないとだ!

なぜなら
本人が一番大変なのに一緒に歌ってくれる。

その方は酸素吸いながら…
歌会で歌うのを楽しみにきてくれているから

ってことで
昼休みにYouTube見ながら練習…
まっ、なんとかなるか(笑)

で本番(笑)

まだみんな集まってなかったので
(内心ホッとして)
すぐ目の前に行く
「みんなが集まる前に、Kさん、千の…一番だけね」
「はい、お願いします」

で歌い始める…
二人きりの歌会みたいな感じで…

ギターを弾きて歌いながら心の中で
「ん?アレッ?声出てる?歌えるかも」
3回くらいしかYouTubeでは聴いてないけど…

間奏のとき
「(どうした?オレ?と心の声)Kさん、最後まで歌います」
と言って歌いきった\(^o^)/

その後は、みんなでいつもの歌を唄って終了…

スタッフルームに帰ってきて同僚から
「Uさん、新居さんが唄っている時に息を引き取りました…」
と言われて愕然、そして同時に思ったこと…

Uさんのために「千の風になって」を、Kさんがわがまま言ったんだ。そして神様が力を貸してくれて声が出た…

送迎が終わった後に最後のお別れに部屋を訪ねた。
安らかな表情をしていた。

「あなたはそこでみんなの為に歌いなさい」

と言葉が降ってきた…

「Kさん、最後はオナラの歌を唄って最後にしますよ!知ってますか?今日の日はさよオナラ」

「みゃー」

MCしてるとき
その声が聴こえたような気がした…

素敵な時間を共有してくださりUさん、ありがとうございました。またね!

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