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鎌倉投信の受益者総会、4年ぶりのリアル開催 月次レポート研究所のポッドキャスト 2023年9月 テキスト版

こちらのポッドキャストのテキスト版です。


renny:月次レポート研究所のポッドキャスト2023年9月の前編は、先週末に開催された鎌倉投信の受益者総会を取り上げます。吉田さんは参加されましたか?

吉田:はい。横浜に行ってきました。

renny:僕は受益者でありながら、サッカーの試合を観に行ってまして、お邪魔することできなかったんですが、Twitter、今はXの様子は見ていると、結構たくさんの方がお越しになっていたような印象を受けたんですけど、実際いかがでしたか。

吉田:そうですね。ただ周りを見回して、おやおやと思ったことがありました。私、会場参加したのはかなり久しぶりで、たぶん7年ぶりくらいだったのですが、受益者の年齢層が高くなったような気がしたんです。

renny:それは七、八年前ぐらい参加された時よりも、プラス7歳以上に上がってたっていうような感じですか。

吉田:うん。そんな感じですかね。もしかしたら若い人はもう会場に来ないでオンラインなのかもしれないですが。

renny:7年前にオンラインはなかったですもんね。今回4年ぶりに会場開催だったわけですけれども、僕も4年前、京都で開催された受益者総会に参加して、同じようなことは感じたところはありましたね。自分も年齢が上がってはいるんですけれども。

吉田:でも私が鎌倉投信に出会った時は35歳かな、もう少し下だったので、それを考えるとなんか年齢層が上がってるなっていう気がしたんですよね。

renny:僕も先日、ネット証券の方にお話を伺う機会があって、世の中的にそのアクティブファンド、鎌倉投信さんもアクティブファンドですが、やっぱりアクティブファンドに関心を持つ、実際に投資されるのはやや年齢層高めっていうようなデータとして出てる、ということはお聞きしました。

吉田:なるほど。

renny:たしかに受益者総会に参加するとか、何かそういうところに時間を使うくらいなら、パッシブでっていうような風潮になっていて、時間的、経済的にも余裕が出てきてくると、アクティブファンドを考える傾向があるのかなと思ったんですけどね。

吉田:そうなんだ。うーん。

renny:いやいや妄想なんだと僕も思うんですよ。僕も若いうちに鎌倉投信の受益者総会のようなものに触れる方がいいと思います。仕事はもちろん普段のお金の使い方とかにも影響出てくるだろうし、むしろ年取って知的好奇心が衰えてきてからパッシブの方がいいんじゃないのかと個人的には思うんですよ。

吉田:うん。私もそう思います。

renny:他に今回参加されて印象に残ったことって何かありましたか。

吉田:会場かどうかは関係なく、また毎年恒例のことなんですが、投資先の社員さん、社長さんがみなさんイキイキとしているのが印象的なんですよね。

renny:もちろん営業の最前線とかで働かれてる方っていうのは、日々お客さんに接されてるかもしれないですけど、ああいう場所に出てこられる方は必ずしもお客さんと日々、普段接してないような部署の人も参加されるっていうこともあるのかもしれないですね。

吉田:毎回、鎌倉投信の受益者総会で社員のみなさんの話を聞くと、必ず思い浮かぶのが、デヴィッド・グレーバー「ブルシット・ジョブ」。ベストセラーになった本で、日本語に直訳すると「クソどうでもいい仕事」。簡単に言うと、社会のためにもなってないけど、とりあえず給料のために働くみたいな。世の中そういう仕事が多いですが、そこから切り離された存在だなぁと。

renny:それこそ社畜って言葉があるじゃないですか。それが「ブルシット・ジョブ」のニュアンスに近いんでしょうけれども、受益者総会にお越しくださってる投資先の会社の方はちょっと違うよね、っていうのはありますよね。

吉田:社会課題に直結する事業だからというのもあるんでしょうけど。

renny:やっぱり週末に普通ならお休みのところ、鎌倉投信のイベントのために参加されることもすごいことだと思うし、そこで楽しく、明るく振る舞われているのはやっぱりすごいことなんだろうなって思いますよね。

吉田:そうですね。

renny:投資先の会社さんがご登壇されていていましたが、印象に残ったお話とか何かありましたか。

吉田:亀田製菓のジュネジャ・レカ・ラジュ会長の話に、日本語には食感を表す言葉が445種類あって、それは世界的に珍しいことなんだという話をされていたのが印象的でした。(英語は77ぐらい、フランス語は日本語と英語の中間ぐらい)。

renny:食というと、それこそ吉田さんが非常に関心を持たれるテーマというか、美食を楽しまれてるんで、なるほどなって思われるとこあります。

吉田:そうですね。日本は料理に使う食材の数ってかなり多いんですよね。フランス料理や中華料理と比較しても多かったりするので、そういうが食感の言葉の多さにつながるのかもしれない。

吉田:だから食の分野で海外に出ていくのは面白いかもしれない。亀田製菓はお米が原料なんで、最近流行りのプラントベースフードの波に乗れそうだし、そういう面で面白い会社かもしれないなって思いましたね。

renny:コロナが明けてインバウンドがぐっと増えて、海外の方が日本食に触れる機会がまた増えていくだろうし、一方で、海外を見てると、ラーメンとかが輸出といいますか、海外の人に親しまれ始めてるという意味では、日本食で、しかも米由来で、今おっしゃったプラントベースというのを考えると、亀田製菓さんは面白い存在になってくるかもしれないですよね。

吉田:やりようによってはいくらでも何かビジネスチャンスがあるみたいな感じですね。

renny:今回の受益者総会のテーマは食でしたが、食の文脈で何か社会的な課題とか挙げられてたようなことって何かありましたか?

吉田:やっぱりフードロスとかですかね。食品廃棄の統計データは一応あるんですけど、その統計データって、食材が流通に乗った後の数値らしいんですよ。それは私、知らなくて。流通に乗る前の、例えば農家が豊作で採れすぎて、これ市場に出したら全体的に安くなっちゃうから、って潰しちゃうことあるじゃないか。その種のロスは統計に反映されていないらしいんですよ。

renny:なるほど。歩留まりといいますか、生産元で例えば収穫が100あっても、流通に乗るのが80だったら、その統計の発射台が80になるってことですね。

吉田:はい。

renny:なるほどね。そうしたフードロスの解決を取り組まれている投資先の会社さんというと…

吉田:オイシックス・ラ・大地さんの方が、その話をされていましたね。

renny:そういう食品ロスを減らすことを突き詰めると、環境への負担も減らすことにつながるのですかね。

吉田:それもあるし、日本の食料自給率のことを考えると、捨ててる場合じゃないでしょと。

renny:それは食の安全保障みたいなことを含めてっていうことですね。フードロスというとコンビニのお弁当のようなものをイメージしますけど、それ以外にも生産現場、流通前に起きてる部分も取り組むべき課題っていう課題ってことですよね。そういう課題を本業で解決していこうとされているからこそ、鎌倉投信の選ぶいい会社ってことなんでしょうね。あとパネルで登壇されてたのは、

吉田:ユーグレナさんでしたね。

renny:ユーグレナさんは結構常連ですね。今回は出雲さんじゃなくて、永田さんでしたよね。印象はいかがでしたか?

吉田:うーん、あの会社はいつからバイオ燃料の会社になるのかなと。2年前ぐらいだったか、確か公募増資をして、バイオ燃料の投資をするという話だったけど、青汁のキューサイを買収したような感じだったし。

renny:そういうのがありましたね。あの分野はいろんなところがバイオ燃料って参入しようとしているし、必ずしもミドリムシじゃなくてもいいんですよね。

吉田:ただ最初の頃はトウモロコシとかもありましたが、食料を使うのは今後の人口増加とかを考えるとやばいよね、という段階に来ているので、ミドリムシならっていう雰囲気はあるかもしれないです。

renny:確かニュースか何かで天ぷら油とか廃油が燃料に転換できるというような取り組みもあるとかって聞いたりしました。

吉田:そういえば。結構昔から自由が丘のバスは天ぷら油で動いていたような。

renny:それがジェット燃料になるかどうかっていう問題はあるんでしょうけど。

吉田:たしかに天ぷら油で飛行機は難しいかもしれない。

renny:だから確かにユーグレナさんというと、燃料の方がどうなるのかなというのは確かにありますよね。登壇された投資先以外にも、結構な数の企業展示があったと思いますが、ご覧になって印象に残った会社さんはありましたか?

吉田:キノコのホクトさんが、キノコそのものだけじゃなくて、炊き込みご飯の素とか販売されていたり、あとドレッシングのイメージしかなかったピエトロさんが冷凍食品を販売されていたりと、こんなことやってたんだ、みたいな発見がありましたね。

renny:企業展示やパネルディスカッションのほかに、運用の報告もあったんですよね。

吉田:運用報告はあったけど…運用成績が悪くて何とも言えない状況で。。。

renny:それはあるかもしれないですね。総括すると今回の従事者総会はどんな感じだったですか?

吉田:いつも通りの内容だけれども、とにかく受益者の年齢が気になったっていうところですね。このまま若い人が入ってこなくて、高齢化していったら嫌だな、もったいないなと。鎌倉投信が目指してるものって、個人的にはもう大学生ぐらいのうちに触れてほしいなって思うぐらいのものなので。

renny:さっきおっしゃったオンライン参加の層がどれぐらいいらっしゃるのかっていうのはあるのかもしれないし、あとは土曜日なので他に用事があったりするのかもしれないんですけどね。吉田さんのおっしゃるように、僕も大学生とか高校生でもいいんですけれども、会社で働いてる人がイキイキしてるのを見るだけでも意味があると思います。また今回参加できなくて残念だなって思ったことの一つに、僕が大好きな本の一冊の「お金のむこうに人がいる」の編集をされた今野さんが受益者総会に参加されてたらしいんですよ。

renny:僕は会ってみたいなと思ってたんで、会場に行ってたらお目にかかることができたんじゃないかなと。あとは受益者総会に行くと、投資先の会社さんもそうですし、鎌倉投信さんの方もそうなんですけど、昔からの知り合いの受益者の方にもお目にかかることができる機会でもあるんで、そういう場には行けたら行った方が良かったのかなと。次回はどこでやるかは発表されてましたか?

吉田:なかったと思いますが、コロナ前の感じだと、京都、横浜、京都、横浜みたいな感じでしたよね。

renny:だから次は京都になるのかな。投信会社さんのイベントは運用報告が中心のものが多い中で、鎌倉投信さんのものはさっきの本の話じゃないですけど、投資してる先に働いてる人がいることが実感できるっていう、すごくいい機会なんで若い人にはぜひ、早く触れてもらいたいなと思います。数年前と比べるとこういうイベントがありましたと発信する方も減ってるのかもしれないですが、こういう機会があったことが広く知られるといいですね。


おまけ;著名な個人投資家さんの受益者総会レポート


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