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「わかりあえなさ」をわかりあおう

「トランスレーションズ展」が何やら面白いぞというのを聞いたので六本木にある21_21 DESIGN SIGHTに行ってきました。

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■会場構成

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作品を見る順番が特に決められているわけではなく、自由に巡回できる会場計画。場所によって姿(色)が変わり、自ら動くことで変化を感じることが出来る。まさに翻訳の森!

それでは作品のゆる~い感想です!(ドーン!)オススメの順番で記載します(面白い順ではなくあくまで個人的にオススメする鑑賞順です)

■⑫見えないスポーツ図鑑

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アスリートたちの内部で起きる目に見えない身体感覚を別のものに置き換えて感じることが出来る展示。翻訳と聞くと何とも小難しい展示に感じるが、ここを最初に見ると直感的に「ゆるくも楽しい」コンセプトを感じることが出来ます。

柔道をタオルの引っ張り合いで表現する映像は思わず笑っちゃいましたね。

自分も中学の野球部時代「ボールが止まって見える」「ボールを点でなく線で捉える」等指導されたが全然分からん!という経験があります。

でも。このような形で感覚を追体験出来るともしかしたらスポーツの上達にもつながるかもですね。長嶋監督の打撃論「スーッと来た球をガーンと打つ」を感じてみたい(笑)

なによりも「翻訳したときの可笑しさ!」を感じられます。

■⑲密やかな言語の研究所:読唇術

植物の声なき声を聞く-こちらもわかりやすい展示ですね☆こちらの展示を見た時に「メッセージ」というSF映画を思い出しました。

言語学者が宇宙人の言語を理解しようとするストーリーが斬新で面白い映画です。よくSF映画では「我々は宇宙人だ」と宇宙人と地球人が自然と言語の壁を超えてますが、宇宙人が進んだ技術で言語を理解しているか、「翻訳こんにゃく」を使う以外説明できませんね。ドラゴンボールだとベジータは地球人の言葉は理解できないはずです。

言語というのは言葉や声だけでなく多様な表現方法があると考えさせられます。そして声なき声を聞くことで植物に対して優しい気持ちになれます。

■⑪・・・のイメージ

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こちらは手の動きに応じて雲ができたり飛行機が飛んだりと、まるで自分が神や魔法使いになった感覚が味わえるインタラクティブな展示です。

身体を動かすこで感覚が実体化する体験は単純に楽しいです。この展示では雲を作ることが出来ますが、今後手で表現する雲と綿菓子の違いをAIが学習するようになるのか興味深いです。私は説明ベタなのでテレビ会議でこのような技術で自身の表現を補助してくれたら大変助かります(笑)

ポストコロナ時代となり、言語の表現方法や翻訳の仕方も変わってくるかもですね。

■③④ポジティブ辞書編集/翻訳できない世界の言葉

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世界中から感情にまつわる翻訳不可能なことばを邦訳した展示です。

展示にもある日本語の「ぼけっと」や「木漏れ日」など世界には翻訳できない独自のことばがあります。200語あまりが紹介されていますがその多さに驚きです!全部覚えて普段の会話やチャットに取入れてみたいとの欲求が(笑)コミュニケーションもより楽しくなりそうですね。

一部紹介すると...

・ふらいつぁいとすとれす(Freizeitstress)/ドイツ語→「自由時間のストレス」・べしゃりと(Bashert)/イディッシュ語→「そのような運命だ」・うーたんなぶーる(Utang na loob)/タガログ語→「恩返しがし尽くせない」

面白いですよね♪自分が特に好きなのは

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■⑱鑑賞から逃れる

一番最後にある展示がこちら!

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近づくと作品が逃げたり鑑賞を拒否されたりするとういうショッキングな作品です(笑)

作品全体を遠くから眺める人、近くで細かい部分を見る人、作品のキャプションから見る人、鑑賞者によって様々で正解はないですが、自身が普段何を見ているかを考えさせられます。

ソーシャルディスタンスの可視化ではありますが、私は日常における様々な距離感を考えさせられました。

上司との距離感、高齢者との距離感、子供との距離感、障害のある方との距離感、猫との距離感...時と場合によりその距離感は様々。可視化されることでコミュニケーションも円滑になるかもですね。

一方で分かりあえなさの中に面白さがあるのかもとも感じます。

■まとめ

今回の展示は難しいことを考えること無く身体的に感じることが出来る楽しいものでした。自身の感情の広がりや世界の多様性の中にもつながりがあることを感じることが出来ます。

わかりあえないと思って閉じこもるのではなくわかりあえないものを一生懸命わかろうとするときの可笑しさ、伝える表現方法はたくさんあることを意識できればより人生も豊かになるのではないかと思いました。

私自身も世界が広がった気がしますので是非オススメです!


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