諸行無常の世の中だから

日本には四季がある。その訪れを外気の気温や月の移り変わりでわかることもあれば、旬の食べ物や季節の花などが気づかせてくれることもある。季節特有の何々が、私たちに語りかける。そのような時に僕は、情緒を感じ、暖かな気持ちになる。

時に、季節の移り変わりは、私たちの昔の記憶を想起させてくれる。春は、小学校の頃のクラス替えの光景を。夏は、中学の同級生と行った地元のガーデンビーチを。秋は、高校の野球部の夏の予選大会で負けた悔しさをバネに練習で明け暮れた日々を(これはあまり思い出したくないかも)。冬は、大学の友人といった奥利根のスキー場を。久しぶりに地元に帰り、懐かしのガーデンビーチを見に行ってみると、もう更地になっていた。いと悲し。

時に、季節の移り変わりは、私たちのこれから先の未来を想起させてくれる。来年の春は、彼女と桜を見に行きたいな。今年の夏は、久しぶりに高校の同級生とバーベキューをしたいな。今年の秋は、地元に帰って親孝行でもしようかな。今年の冬は、どこへも行かずに家でこたつにミカンでいいかな、などなど(全部娯楽...)。

何を見て、季節の移り変わりを感じるかは人それぞれで、また、どう感じるかも人それぞれで。同じものを見ても、人によっては悲しかったり、切なかったり、嬉しかったり、心躍る気持ちになったり。ただ一つだけ共通して言えることは、季節も景色も人の心も、諸行無常なのだなということ。

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