見出し画像

ARK InvestのInvitae $NVTA への投資戦略について


こんにちは、ぴたごららです。

最近買い始めたETF $ARKK 組み入れ上位の遺伝子検査会社、InvitaeへのARK Investの投資理由がわからん、ということで先日記事を書いたのですが、同社のゲノミクス・アナリストであるSimon Barnettさんがその理由を懇切丁寧に解説しているスレッドを発見しました。難しい話なので、とっつきやすくなるように関西弁に訳して勉強してみましたのでそちらをお届けします。なお筆者はネイティブではないため、エセ関西弁に気を害された方にはあらかじめお詫び申し上げます。

↓原文をまとめたスレッド

↓前回記事

Disclaimer:
本内容はSimon Barnettさんの一連のツイートを「非専門家である私自身がわかりやすくなるように」意訳・改変したもので、内容の正確性/専門用語が正しく使われているかなどは担保できません。正確な内容に関しては原文をあたってください。本内容、またそれに基づいた投資判断などにつき、私はいかなる責任も取れません。

イントロ

まいどおおきに!じぶん、なんでワイらARK InvestがInvitaeに投資しとるんか気になっとるみたいやな。ほないくで!
まず遺伝子検査についてやけど、この分野はいちばん野心的で革新的な企業が5〜10年の期間で市場を支配するはずや。ゲノミクスっちゅうのは難儀なもんで、ちょっと齧っただけでぜんぶわかったつもりになるのは理解でけへんな。せやから、ワイらは企業がイノベーションに投資したり、M&Aを通じて機会を得たりするのが好きやな。要するに、遺伝子検査はまだコモディティ化(※経済価値化)されてないっちゅうわけや。もっと正確で、包括的で、医療に使えるものにするためにはいろんなことやらんとアカン。遺伝子検査の普及には大変なことがぎょうさんあるけど、特にコストが問題やな。

遺伝子検査について:Sherloc

これから改善点を説明するけど、ぜんぶ簡単なもんやないで。検査・診断にかかる時間の問題と、VUS (意義がわからない突然変異 ※紛らわしい結果)の解決や。
この分野のリーダーは技術に投資して、その利益を検査の低価格化として患者に還元すべきやと思っとる。ただ、赤字になったり将来の収益性を犠牲にしてええとは思うとらん。
ここでArcherDx買収前のInvitaeについて話すで。まずはコアになる遺伝性疾患の検査からやな。この検査は、じぶんの中の厄介な突然変異を見つけて、じぶんが病気になりやすいか、いま病気を持ってるか、もっとええ治療法はないかを見つけるのに役立つんやな。「こういうんは他の会社もやっとるやんけ」って?ちゃうねん。これについては前にも記事にしとるから、それを読んでな↓

ワイらの見立てでは、Invitaeはぜんぶの検査でピカイチの品質を誇っとる。多くの企業はAmerican College of Medical Genetics (ACMG)の基準で検査をやっとるんに対して、InvitaeはSherlocを開発しとる。

Sherlocっちゅうのは、簡単に言うと業界水準よりも厳しい基準を使って、ある突然変異がどれだけ厄介かっちゅうのをランク付けするAIツールやな。これによって判断間違いが少なくなる。これらへの投資は、Invitaeが業界水準以上の検査品質で差別化されていることを示しとるで。Sherlocの開発にはお金がかかったけど、拡張性があって、効率的かつ厳密なランク付けができるようになったわけや。

垂直統合について

(※垂直統合とは、自社の仕入先あるいは販売先とのM&Aや提携を行うことで、事業領域の拡張を行うこと)
Invitaeはいちばん垂直統合された遺伝子検査会社で、サードパーティー・ベンダーに頼らんでも価格を下げて、持続的なキャッシュフローを生み出せると考えてるで。
Invitaeの「キャッシュ・バーン(※資金燃焼)」についてワーワー言うとるやつは、だいたいInvitaeが他の会社よりも研究開発費を使っとることに気づいてないな。ワイらが研究開発を励行しとるんは、ゲノミクスが巨大な産業やと思っとるからや。Sherlocについては説明したから、次はJunglaや。InvitaeはJunglaを買収して、その技術をいまはSherlocに組み込んどるで。気になるっちゅう人は以下を見てな。

垂直統合について:Jungla

ほな、Junglaの重要性を説明するで。
遺伝子をぎょうさん見ると、大事なもんは見つかりやすくなるんやけど、それと同時にようわからんもん(VUS:紛らわしい結果)が見つかる可能性も高くなんねん。ようわからんもんを判断するのにはお金がかかるし、医者や遺伝カウンセラーもそれに対応せんとアカン。遺伝子データをぎょうさん溜め込んで、それでVUSを解決できるいうんはアホの考えやで。VUSをマニュアルで解決するには、実験とかして分析結果を待ったりする必要がある。こんなんかなわんやろ。
Junglaはそれを解決してくれんねん。Junglaは独自の機械学習+生物物理学を用いて、VUSのphysiological repercussions(生理的反響?)をめっちゃ速く反復するんや。物理演算エンジン/トレーニングループで、InvitaeがコスパよくVUSを判別するのを助けとる。要するに、Invitaeの垂直統合されたAIシステムでは、なにもデータバンクに頼らんでも、いちばん正確な答えを安く手に入れられるっちゅうわけや。しかも経時的に改善されていくんやで。
(※筆者注:このあたり、とくによくわかりませんでした)

垂直統合について:Clear Genetics

あとInvitaeは、すべての検査結果に遺伝カウンセリングが含まれていることの重要性をよう理解しとるで。業界トップの遺伝カウンセリングAIを持つClear Geneticsを買収して、人による遺伝カウンセリングを支援しとる。人での遺伝カウンセリングっちゅうのは有限な労働力やから、競合他社はこれに遅れをとっとるな。


垂直統合について:Singular Bio

長くなっとるけど、垂直統合の話を続けるで。いまめっちゃ盛り上がっとるリプロダクティブ(生殖)とウーマンヘルスビジネスの話や。
Invitaeはダイレクトチャネルで、99ドルの非侵襲的な出生前スクリーニング(NIPS)を提供しとる。前にワイらは、なんでInvitaeのSingular Bioの買収を支持しとるか書いとる。この業界がコストを下げられへんかったから、Invitaeは出生前スクリーニング用の独自のハードウェアを買収で導入したんや。ワイが知る限り、こんなことしたんはコイツらだけや。NIPSはSingularのおかげでそのうち営業利益率80%以上のビジネスに化けるかもしれん。
↓Singularの技術紹介、絶対読んでな。Invitaeの遺伝子解析ハードウェアの内製化はコイツらのユニークなところやで。

垂直統合について:ArcherDx

あと、InvitaeがArcherDxを通じてプローブ製造を内製化することにも、ワイらブチあがっとんねん。知らん人のために説明すると、遺伝子解析には標的領域のロックオン/プルダウンのためにプローブっちゅうもんが必要になんねん。そしてプローブを作るには合成生物学のナレッジが要るんやな。他のほとんどの会社は、ひと握りのプローブ・ベンダー(Qiagen $QGEN, Twist $TWST, IDT $IDT)から買っとるんやけど、ArcherDxは自社内でこれをやっとる。統合したら、Invitaeは合成生物学の領域でもサードパーティー・ベンダーから手を引くやろうな。

垂直統合について:Diploid

Invitaeのもうひとつの資産であるDiploid (Moon)にも触れとくで。Moonは希少疾患診断のための遺伝子データを取得するAIプラットフォームや。MoonはRady Children's Hospitalの礎となるAIエンジンでもあるで。 InvitaeはMoonを通じて、世界中の新生児・小児の集中治療室へ展開し、低コストで迅速な病気診断を提供すると思うで。

垂直統合について:YouScript and Genelex

あと、ファーマコゲノミクス(ゲノム薬理学)検査と臨床意思決定支援ツールも内製化しとる。これらのツールは、医者が患者での薬物-薬物/ゲノム-薬物相互作用をより理解するのに役立つんや。
ファーマコゲノミクスの概念自体は昔からあるんやけど、コスト、可視性、保険償還、教育などが理由で普及してないんや。これらはすべてInvitaeがコアビジネスとして取り組んできたことで、ファーマコゲノミクスもそれについてくると思うで。

サービスの幅について

Invitaeのサービスの幅の広さと、主要な消耗品、ソフトウェアの管理レベル、柔軟性はホンマ五臓六腑に染み渡るで。コイツらは数十の疾患領域での診断と予防的な検査を提供しとる。SherlocとJunglaのおかげで、Invitaeは競合他社よりもぎょうさん遺伝子を見られるし、VUSを減らしながら検査の価値も高められる。顧客にはオーダーメイドのAIチャットサービス(GIA)で使い方も教えてくれるし、さらにサポートが必要ならInvitaeの遺伝カウンセリングも利用できる。保険の事前承認や医者の自己負担なしに、Invitaeの検査を直接注文できるんや(米国/カナダの話で、他国は今後の予定)。これがぜんぶ250ドルやで。もしじぶんがVUSをもっとったら、Invitaeはその解決のために追加費用なしで血縁者の遺伝子検査もしてくれるんや。

所感

難しい話なので私個人として理解できていない部分が多々あります。印象としては、Invitaeは遺伝子検査・診断にまつわるすべてのサービスをフルパッケージで、かつ自社でまかない、さらに低価格化も目指している、という感じでしょうか。
イメージとしてInvitaeの現在の活動は収益化に移る前段階であり、まず業界全体の支配を目指して企業買収などを繰り返している、というところですかね。「投資をしている理由」を書いているので当然すべてポジティブなんですが、個人的に気になっている「遺伝子検査は一生の間にそう何度もやるものではない」という点は、収益の持続化に対する懸念として引っかかったままです。まあファンドに一企業を墓場まで見届ける義理もないですからね、タイミングがくれば高値で売るんだと思います。今回追加で勉強してみましたが、やはり私としてはInvitae個別株への追加投資はパスですね。

↓私が投資しているArk InvestのETFについては以下をご覧ください。

↓この記事が良かった、ぴたごららを個人的に応援したい、と思ったらサポートいただけると励みになります。

ぴたごららファンドへのサポートをいただけると助かります!