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コントラバスの自宅練習における防音への闘いは防振によって成し遂げられるのだ!
コントラバスの悩み。それは音がデカく家で練習できないことではないでしょうか?コントラバス再開にあたって購入にためらっていたのもミュート方法が分からなかったからです。夜な夜なネットで調べてもコントラバスのミュートに対する決定的な記事はみつかりません。見切り発車で購入しましたが結果的に毎日自宅で弾けるようになりました。そんな話です。
当初は防音性ばかり気にしていましたが防音は結果、防振は手段です。コントラバスの悩みは振動にあります。音は振動。人の鼓膜に振動が届かなければ聴こえません。それではコントラバスを弾いた際にどこから振動が出ているのでしょうか?順番に考えてみましょう。
1. 弦の振動
2. 駒の振動
3. 魂柱の振動
4. 裏板の振動
5. fホールからの振動(音)
6 部屋内の振動
7. エンドピンからの床への振動
8. 部屋の構造材の振動
9. 部屋外の振動(音)
10. 部屋外にいる人の鼓膜の振動
ざっとこんな順番でしょうか?
「10. 部屋外にいる人の鼓膜の振動」は当然無理ですから、最終的に「9. 部屋外の振動(音)」が抑えればよさそうですね。結果から逆に辿ってから防振方法を考えてみます。
8. 部屋の構造材の振動
こちらは防音室というアプローチですね。とてもいいと思います。ただし実施できる人が限られますね。私の姉はチェロを弾くのでマンション購入祝いに防音室をプレゼントしました。自分は持っていないのに。。。人に買っている場合ではありませんでしたが、実際に防音室を見せてもらったらとても大型です。賃貸族にとっては引っ越すときが大変そう。転勤がありうる自分ではとても買えません。
7. エンドピンからの床への振動
こちらは振動自体を抑える作業が必要です。
https://material-r.co.jp/iroha/1133/
よくわかりませんが振動で動かない硬い層と振動で動く柔らかい層をミルフィーユ状に重ねることでクッションにしてるっぽいな。ということは金属とゴムを交互に挟み込めばそれっぽい構造になりそうです。
6. 部屋内の振動
こちらはどうでしょう?壁一面に吸音材を貼付(ちょうふ)しては?
かっこいいですね!これぞスタジオ!って感じです。ただ壁一面に貼ったら普通の生活空間はなくなるでしょう。壁をすべて塞がれてしまうと棚類が置けません。どこにモノを置けというのか。自宅で部屋が余っている方には向いていそうです。
5. fホールからの振動(音)
ここからようやく現実的のようです。fホールから弦振動から音に換わっています。厳密には楽器全体から出るんですが特に集まっているという意味でfホールに注目。fホールを壁で遮って楽器外側への音の放出を遮断するとよさそうです。材料はこの辺があります。DIYの味方「モノタロウ」さんで材料を集めましょう!かゆいところに手が届くラインナップ。最高です。
https://www.monotaro.com/p/1508/2035/?displayId=5
コントラバスの形状に合わせてカットしやすい可塑性材料といえばゴムでしょう。ただしゴムは溶剤的な性質を持ちますのでニスを使うコントラバスには色移りが怖くてそのまま使えません。色移りしにくいゴムも開発されていますが、素直に色移りしない素材でカバーされているのがいいです。この場合はオムツなどにも使われる不織布(おもにプラスチックであるPETやPEでできています)でラミネートされているこちらがいいでしょう。1枚では心もとないのでミルフィーユ状に重ねましょう。両面テープでだいたい4枚程度重ねて貼り付けでしょうか。あまり重ねると重すぎます。まるで防弾ジャケット。
4. 裏板の振動
こちらも同様に振動を抑えることができます。同じようにカットしてカバーすれば可。ですがさすがに振動を抑えすぎて音が小さかったので今は外しています。
「3. 魂柱の振動」
こちらはコントラバス内部の話なので無理ですね。諦めます。
2. 駒の振動
「7. エンドピンからの床への振動」と基本は同じでしょう。重たい金属で挟み込むのが一番いいのですが、重すぎると駒がズレそうです。2個作って挟み込みます。駒への固定はFクランプを使います。Cクランプとか使うと接続部で振動が発生するのでFクランプ一択です。プラスチック製のFクランプは挟み込み強度が弱いので金属製にしましょう。
Fクランプを受け止めるために外側は硬さが必要です。駒サイズにあった金属板をホームセンターのDIYコーナーから見繕います。ネットならこの辺がいいですね。自分の駒サイズにあったサイズをお店で探すのが一番いいかな。amazonではいいサイズがみつかりませんでしたが、こんな感じの板がちょうどいいかもしれません。
ミュートむき出しだと不格好ですし、落下時に楽器を傷つけます。好みの布で包み込んで両面テープで止めるといい感じです。個人的にはベロア好き。レトロな雰囲気です。
1. 弦の振動
最後に。ここをスポンジで押さえたら簡単に振動は抑えられるのですが、絶対に振動を止めてはいけません。弓で楽器を鳴らす練習に超不向きです。ピチカートだけならこれでもいいかもですが。
さて、長くなりましたが以上で自宅ミュートは可能です。木造アパートだったら弦の音が気になるので部屋にちょこちょこ吸音材を足すのもいいですね。個人的にはヘッドフォンアンプで増幅して練習する方がボディ鳴りが聞こえるのでとてもいいです。その際は低音が多すぎるのでEQで50Hz付近を削るとちょうどいい。
この仕様で気になるのは楽器(ニス)と巻き付ける材料との相性による色移りです。自分は理屈上は大丈夫と“信じています”が、結局は自己責任になるので。。困っている方々も多いでしょうし、コントラバス購入に踏み切れない方々もいらっしゃると思いますので参考にしてみてはいかかでしょうか?普段の生活空間でコントラバスが弾ける環境は素敵ですよ!
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