7 生体腎移植ドナーを経験して(7) え? マジ?
クロスマッチも無事クリアして、あとは移植手術を待つのみ。
職場への対応を書いておこう。
まず、ドナーになることが決まった2023年5月、校長に伝えた。
「時期は年末から来年の梅雨どきくらいになりますが、自分がドナーとして、娘に生体腎移植をすることに決まりました。手術の日程は、娘の体調次第で決まります。ひと月ほど仕事をお休みすることになります」
その後、各方面に個別に伝えた。
主任をしていた学年団の先生方。
3学年だったので、卒業式に被る可能性があることを話した。
部活動(アメフト)の顧問の先生方。
教科(英語)の先生方。
みなさん驚かれたが、
口々に「大丈夫ですよ」「安心してお任せください」とおっしゃってくださった。
移植手術の日程が決まらないまま、年が明けた。
2024年1月、娘とともに受診。
「あー、数値落ちてますねー。そろそろ手術した方がいいですねー。このまま行くと、人工透析で手術まで繋ぐことになるかな。いつ頃手術しましょう?」
娘には6歳の子どもがいる。
(僕にとっては孫)
3月、保育園の卒園式。
4月、小学校の入学式。
彼女としては、子どもの人生における大イベントに一緒にいてあげたい。
なんとかこの時期を避けたい、と前々から話していた。
以前、主治医から聞いていた話がリフレイン。
そうなると、5月以降の手術となる。
その場合は、ほぼ確実に人工透析を挟むことになる、とのことだった。
「先生、すぐにでも手術してもらえませんか?最優先は娘の身体なので💦」
かなり焦ってそうお願いした。
「えーと、早くて5月入ってからですね。移植手術は、月に2回って決まってるんですよ。予定はパンパンでね」
いやいやいや。
あんた、5月以降やったら人工透析挟むって言うてたやん。透析は血管にダメージかかるから避けたいね、って言ってたやん。
かなりeasyに、
「お、この数値なら、そろそろ手術やね。じゃ月末に手術しよっか❤️」
くらいに言われるものと、心のどこかで思っていた自分は、かなり焦った。
隣の娘を見ると、同じようにかなり狼狽していた。
「なんとかなりませんか?(汗汗汗汗)」
「うーん、ちょっと待ってね」
そう言って、いったん診察室を出て外で待つように言われた。
(つづく)
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