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【フライトの勉強ってどうやってるの?】

前回は自衛隊の戦闘機パイロットになるための課程(フライトコース)についてお伝えさせていただきました。
現行のフローで考えると、戦闘機に乗るまでに2機種(T7、T4)のみでF15やF2に機種転換を実施します。僕が学生の時は、その倍の4機種(T3、T1、T4、T2)を経てF15、F4もしくはF1への機種転換という道のりでした。
これは2機種だから今の課程が簡単になっていると言いたいのではありません。例えば、T4について言えば、搭乗期間が倍になった分、その機種についての知識や技量を更に厳しく要求されると思います。
また、「段階的な訓練環境」という側面で考えてみると、今の学生は私たちと比較して非常に一つの段差が高い階段を登っていると思います。なぜなら、私たちはT3卒業後にT1を経験することで、「ジェット機とはどのようなものか」を非力な単発エンジンで学ぶことができましたし、T4を卒業後にT2を経験することで、F15よりも非力な戦闘機でクラシックACM(従来の戦闘方法・戦いの原則)を学んでから戦闘能力の高いF15へと段階的な教育を受けることができました。今はそれをすっ飛ばすので、感覚としては、階段を一段飛ばしで登っていく感覚だと思います。

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