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流星雨

子供の頃から星を見るのが好きだった。
とりわけ年に何度かある流星群の日は、夜遅くまで夜空を眺めて流れ星の数を数えていた。
大人になって、夜更かしができなくなったのでじっくり見る機会がなくなったのだが、忘れられない流星群がある。
2001年のしし座流星群。もう20年以上も前の話。

この時は専業主婦という会社勤めから開放されていた時期で、夜更かし可能な幸せな期間。
なので「夜通し観測するぞ!」と気合を入れて望んだ。と言っても、ただ家の中からベランダの窓にへばりついて、そこから見える空を眺めて肉眼で流星を数えるだけなんだけどね。

夜になり流れ星がポツポツ見え始めたのを確認。
確か真夜中から明け方が1番見える時間だったので一度仮眠する。
夜中1時ぐらいに再度起きて観察を再開。

11月なので家の中も寒い。
ベランダの近くは一段と寒い。
毛布にくるまりながら外を眺め始める。

「流れた!」
すぐに観察できた。そして次々に流れる。
驚くほど流れる、流れるわ!
「こんなに!?」と興奮して胸がドキドキしてきた。

この時は1時間に100個以上の流れ星を見た。
1分間に数個流れる計算だが、これは本当にすごい数。同時に違う方向へ2個流れるなんてザラ。
とにかく数を数えながら「あっ」「次はこっち」という感じで絶え間なくカウントしていた。
「願い事をすると叶う」と言うけれども、願っていたら叶いまくりだったのか?
私はカウント命だったので、ひたすら数えていた。

あまりの流星の多さにベランダから見るだけでは物足りなくなって外に出た。部屋からだと、どうしても空が半分しか見えないから。
もっと広い所で見たい一心で。

真夜中に一人で外に立ち、空を見上げる。
キンと冷え込み静まりかえった11月の夜空。
頭上を見上げると、全方向に飛び出す流星の数々。
毎秒流れているのか?と思うぐらい、次々と本当に雨のように流星が降り注いでいた。

これが流星雨なんだ。

寒さを忘れ、時間を忘れるぐらい星空を見上げ続けた。首が痛くなって下を向きたいのだけれども、下を向く時間が勿体ない。見逃してしまうから。
そのぐらい絶え間なく流れ続けた。
数を数える事を忘れ、ただただ流星を眺め続けていた。絶え間なく降り注ぐ雨のような流星を。

気づいたら空が薄っすらと明るくなって来ていた。



2001年は1時間に2000個以上の流星が観測された当たり年。20年以上経った今も、あのなんとも言えない幻想的な夜空を覚えている。
しし座流星群の極大の周期は約33年とのことで、次回の極大は2034−2037年。
もう一度この感動を味わう事ができたらいいな、頭上から降り注ぐ雨のような流星が見たいなと思った。


毎年流星群の時期になるとワクワクします。
流星雨とまではいかないけれど、毎年流星群はあり、3大流星群(しぶんぎ座流星群、ペルセウス座流星群、ふたご座流星群)の中で次に来るのは8月のペルセウス座流星群。
今年は無職なので翌朝の心配もしなくていいので、
奥行き60センチの狭いベランダにシートを敷いて、夜通し観察してみようかなと思ってます。
遠い昔の自分を思い出しながら、流星をカウントできたらな、と想像して今からニヤニヤです。

みなさんも時間があれば、ぜひ流星群観察してみてはいかがですか?
ひょっとして流星雨に出会えるかもしれませんよ。



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