こんなタイミングでアイドルを見つけてしまった話 ②伏線だらけの冬

前回↓


初現場までのいきさつ


「ぴろー、うちの推しとゼロプロを見に来てくれないか」

LINEの主ははぁと様だった。

はぁと様は私の古くからの知り合いで、オタクぴろーの最古参にあたる。
2015年に現場デビューした私にとって、おそらく顔と名前を認識した順番でいうと一桁目に入るような人だ。


はぁと様の推しは、中野華恋という子だ。

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専門学校生時代に配信をやっていた彼女を見つけたのがはぁとさんだった。元々はそこの専門学校生の別の子と我々に親交があったのがきっかけなのだが、WUGSSAが終わって以降気が付いたら中野単推しになっていて、頻繁にshowroomガチイベの支援を頼まれるようになった。名古屋までライブに来るように頼まれたこともあったが、さすがにコスパ悪すぎて行けなかった。
showroomのイベントは微力ではあるが時間の合う時に何回か協力したので、こちらはよく知っていたし向こうも覚えているのかもしれない(そういえば、この頃のことを中野本人に直接確認したことなかったな…)

そんな中野がアイドルデビューすると聞いたのは2021年初夏の頃だったと思う。なぜアイドル?とは思ったが(この謎は最近の戦乱ラジオで解決した)現場に行くかはさておき、活動について気にはかけていた。


勧誘LINE自体はお披露目公演の時から時々来ていた。しかし夏ごろの私は前述の通り心が荒み、また守るべきものを守るために現場に行っていなかったため、秒でスルーしていた(実際この記事を書いて初めて気づいたほどなので、本当に記憶から抹殺していたようだw)

ところが状況は大きく変わり、年末には自分にもう失うものがなくなっていた。とっとと現場に行って発散すべきものを発散すべきだということで、曲も他のメンバーも全く知らないのに前向きに話を進め、とんとん拍子で行く現場も決まった。地下現場特有の動員が求められている現場だということも承知の上、声出し現場だからということで初現場を12/28「うりゃおいの鐘が鳴る」にした。

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ゼロプロ、とは、Zero projectというアイドルプロジェクト(組織)のことだ。システムについては複雑で、すべてを書くと1記事分になってしまうので、ここでは最低限必要な知識を抜粋して説明する。

・超大人数のアイドルプロジェクト
・Z1~Z5までのリーグ制(サッカーのJ1/J2/J3みたいな連続した組織、数字が小さい方が上)
・リーグごとに複数のブロックがある
・ブロックの中に5つのユニットコンセプト(王道、清楚、パワフル、個性、KPOP)がある
・リーグ、ブロック、コンセプトを記号化して所属先を表記する
・この当時はZ4とZ5しかなく、中野はZ4(最上位グループ)のAブロックパワフル(Z4-A3)に所属していた


この日はそのまま飲み屋に行って飲み屋近くの宿に泊まって翌日実家に帰省する予定にしていたので、ライブだけ見てさっさと次に移動するという今から振り返っても雑すぎる予定の組み方だった。
正直この現場の感想は当時のツイートでしか振り返れないのだが

・パンmixが生きていたんだ(ナツコイ)
・A3(パワフル)はレベル高い
・すげえちっちゃい子がいる(もちろんゆんちゃんのことです)
・A1(王道)に超かわいい子がいる(今の推しだと思うじゃん?違います、後述

など、割と普通のものだった。

イベント自体は普通に楽しんで終わった。曲の履修もまともにしてこなかったので、最後方だったのもあり結局そんな大声で声出しはしなかったが、楽しそうにしている最前のはぁとさんや、当時現場に来始めたきゃろののさん(通称おきゃろ)、その他WUG界隈(この日は黄色以外のオタクも多かった)を見て懐かしい気持ちになった。

この時は、また呼ばれて他に予定がなかったら来るかなー、まんざらでもないなーくらいの気持ちだった。

そしてもう1つ、イベント中に気になっていたA1の子だけTwitterをフォローした。それが原田ゆきかちゃんだった。

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彼女はステージ上でとにかく輝いていて、妖精さんのようだった。まとっているオーラが他の演者と全く違った。そしてどことなく、昔好きだった女性に似ているということもあり、この日の公演ではっきりと印象に残った。


狂気の麻雀対決

年が明け1月。オミクロン株が猛威を振るい始めた頃の話。

私の方はというとデカマクラPart.2を開催し、7/10のMOGRA開催という無謀な挑戦を発表したタイミングだった。

この当時私はどうやってDJがうまくなるかとどうやってMOGRAまでイベントを運営していくかしか考えていなかった。

時を同じくしてアニソンDJ達による「第2回アニクラ界隈麻雀最強戦」が行われることが決まったため、参加者以外で麻雀の練習相手を探していた。

そんな時、あるツイキャスを見つけた。
それははぁと様、さらだコップガラスほりまるの4人でネット麻雀を打つという配信だった。聞くと、4位の人が1位の人の推しのオンチェキを買うという狂気まじりのルール設定がつけられていた。
真剣勝負をするなら、ここがいい練習になると判断した私はこの麻雀に急遽混ざり、なぜか買ってもらうオンチェキの相手はいないのに麻雀を打った。(結局4位は1回も取りませんでした)

この時の親交が未だに続いており、コップ、ほりまるとの関係性に繋がるばかりか、ほりまるとは推しカプで共闘することになるのは後のお話。

それまで一度も話したことないオタクといきなり通話しながら麻雀を打ち、話の成り行きでお互いの推しをフォローする始末。当時はなんてことはないただの休日の昼下がりだったが、後から振り返るとここで新しいオタクとつながっていたことは大きかったように思う。


原田ゆきかの時間と突然の卒業発表

2月に入りオミクロン株の猛威はさらに広がり、私もオフラインのアニクラ出演/参加を見送るほどになってしまった。というのも、それまで一人の感染者も出していなかった会社がこのタイミングで社員のゼロコロナを徹底するよう指示を出し始めたため、万が一にでも感染して第一号になった場合さすがに人生終わってしまうということで半強制的に外出禁止になったからだ。

秋以降、とにかく好きなことをこなして心身の回復を図っていた私にとってこれは大打撃となった。みるみる体調は悪化していき、デカマクラの運営に悩み始めたこともあって加速度的に悪化。
そんな2月中旬、衝撃的な発表があった。

ゆきかちゃん(以下キャサリン)が卒業を発表した。
ゼロプロは卒業に対して寛容というかドライだと知るのはもう少し先の話だが、そんな事情を知らない私は本当にショックだった。
というのも、私にとってアイドルにおける二大ハイライトは
・目標や夢が叶うこと
・卒業
の2つだからだ。アイドルの卒業とは、それだけ神聖なもので、どう幕引きしたかによっていつまでも語られる存在になると私は思っている。

前後のツイートの文面からは、キャサリンがとにかく悩みに悩んで出した結論というのが窺えたし、転生してもう一度戻ってくるかもよく分からなかった。

しかし、この発表を受けても私はまだ現場に行こうとはほとんど思っていなかった。引き続きコロナ対策は厳しいし、次に現場に行くならこの日という日時を3月に設定していたからだ(ちなみにこのイベントは、私の予定的に中野が戦乱移籍後初めて見れるイベント(対バン)だからという理由だったが、お披露目はまだだったので実際意味がないことをしていた。順番前後している可能性あるが、これをはぁとさんに教えてもらったのが2/23電撃参戦の引き金になったかもしれない。細かい時系列忘れた)。

そして卒業まであと数日というある日、それまでにもTwitterスペース実況で流れていたスペースを初めて聞いた。それが「原田ゆきかの時間」だった。

スペース主はキャサリン、ゲストスピーカーにゼロプロのアイドルを迎えたこの配信は異様な盛り上がりを見せていた。

・配信時間が平気で3~4時間を超える
・そもそも配信開始時間が遅い(日付回ってからもざらにあった)
・キャサリンの会話が基本ぶっ飛んでいる
・時々飲酒配信する(飲んでいないのに飲んでるかのようなときもある)

オタクと演者の睡眠を削る配信と言われたこのスペースは回を追うごとに話題となり、同接20~30人は当たり前、他ブロックからも演者が聞きに来るという一大ムーブメントになっていた。

当然、私もハマった。喋りが好きな私にとって、他のアイドル配信とは一線を画した図抜けた面白さが刺さらないわけがない。しかしそれは、アイドルから卒業するわずか数日前。結局23日まで、毎日のようにこの配信で寝落ちすることになった。

そして、禁忌を解く

キャサリンの卒業ライブとなるZ4Aラストライブの開催日は2/23(水・祝)だった。
元々この前日には久しぶりのオフライン開催となるアニクラ集落(DJイベント)をオールナイトで開催する予定だったため、オール明けになる私は2/23の予定を一切入れていなかった。結局まんぼうのためイベントは延期になったが、この日が先述の飲み屋の最終来店日になる可能性もあり、直前まで予定が流動的だった。しかし、これ以上の自粛は精神が終わってしまうと思ったこと、ここで行かなかったら後悔するかもしれないという謎の予感が働いたこと、彼女の最後までアイドルをやり切るという熱意に突き動かされ、現場復帰を決めることにした。

チケットはいつも通りおきゃろから買った(ゆんちゃんの手売りチケを回してもらった)。7年前のあの頃のWUG現場と同じことを、よく知らないアイドル現場でもまたやってる。エモい。

てかちょっと待て、おきゃろはいつの間に枢木枢木言ってるんだ、8~9年は田中美海一筋だったおきゃろだぞ???いったい何が起きてるんだ???この現場にはいったい何があるんだ???さらだも上田上田言ってるし本当にどうなってるんだ…と、当時の私はまだ半信半疑だった。

その答えは、この日明らかになる。


次回↓


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